5.0
伏線が多く今後の展開に注目したい
この漫画はミステリー小説を読んでいるような気持ちになります。
少ない登場人物ながらも群像劇風に話が進んでいくので先の伏線と思えるシーンがいくつかあります。それぞれの登場人物が読者にも明かされていない事実とどう向き合って、各々交わっていくか今後が気になる展開です。また一見サイコパスのように見える女の子、ひろせちゃんが出てきますがこの娘の描き方がすごくリアルで…彼女は主人公の息子と同じ年の小学校中学年。こういう年頃の時に、あまり関わりたくない、非常識な子に出くわしたことのある人は少なくないと思うんですが、まさしくこのようなタイプだと思えます。
主人公は主人公で常識や一般的な優しさはあるものの、つい保身に走ってしまう人間らしさがあります。そこが魅力です。話の展開のリアリティが高いため、我々がなんとなく普通に過ごしてる実際の日常の傍にもこのような体験が潜んでいるような…そんな気持ちにさせられます。
また、これは個人的な趣味の問題なのですが効果音の写植が妙にポップで写実的な絵とのアンバランスさが好きです。
今後の展開、特に主人公とあずさ、ひろせの関係が今後どうなっていくか、明かされていない過去はどうなのかが気になります。多くの方に是非読んでもらいたい作品の一つです。
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