4.0
漫画で知る現実
作家買いで読み始めた。本作は養護施設で育ちそこからどう独り立ちしていくか、の重い問い。子どもは親を選べない。施設に来るまでに多くの子は悲惨な生い立ちを持つ。現在は18歳で退所の規定が個々の事情を見て緩和されたようだが、まだまだ道は険しいだろう。本作で描かれているように新型コロナのせいで仕事を失い路頭に迷う事態にもなる。現実の社会に根ざした物語の展開にドキリとさせられる。二人の主人公達が周囲の手助けを得て、人生は悪くないと思えるような終わりを願う。題名は女の子の名前もかけていると思われるが、「零れる」は何を意味するのか最後に分かるだろうか。
- 0