3.0
重箱のスミをつついてみました
よくまとまったシンデレラストーリーだとは思いますが…原作の設定で一つ、コミカライズの時点で一つ、どうしても違和感を拭えないところがあって、結果的に作品の評価を高くできない理由になってしまいました。
設定での違和感は、花純が未希を初体験の相手に選んだという事実。「見ず知らずの相手よりも 上司であり 遊び人で経験豊富だという」理由で未希を選んでいますが、それほど29歳処女は、世間的に恥ずかしいことなのですか?せめて、「密かな憧れを抱いていた」小宮に頼むのなら、強引な初体験にも共感できたかもしれませんが、多分お見合い結婚相手に未経験と思われることを案じての行動、そして人選らしいので、残念としか思えない。元々、未希が花純を好きだったという美味しい設定がなければ、花純にとって人生の大惨事です。
コミカライズ時点での違和感は、花純が「やっと1枚買うことができたミライの絵」の扱い…そのまま、ぴらっと裸のまま保管しているなんて、随分雑な扱いをしていません?それに、見るからに絵葉書サイズなんだけれど、鉛筆画?水彩画?そもそも、原画でさえもない?ミライ=未希の制作風景は、どう見てもキャンバスに油絵風だよ〜と、いちゃもんつけながら読んでいました。
1年も前から、未希が花純を好きだったからこそ成立したこのお話。回想シーン以外は、もやっとする場面もほとんどなく、改心した元遊び人がヒーローの和製ハーレクインです。ハーレクインタイプがお好きな方には、お勧めですよ。
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