5.0
1巻目◎、2巻目はちょっと心して読むべし
7歳の夏に身体を入れ替えられ、10年間他の身体で奴れいの様に働かされていた伯爵令嬢セイディ。
婚約者のルーファスから婚約破棄を告げられている最中に突然元の身体に戻ってしまいます。
乗っ取られていた間の偽セイディは稀代の悪女と呼ばれる悪評高い嫌われ者で、侯爵家嫡男のルーファスはセイディをずっと愛しているものの、家の為気持ちを押し殺して公の場で婚約を解消したのでした。
身体を乗っ取られていたことを信じてくれているのは両親や一部の使用人のみ。
周囲からは相変わらず冷たい目を向けられながらも、失った時間を取り戻すべく勉強やマナーの習得に励みつつ、同じく被害者で同時期に元に戻ったジェラルドやニールと共に残された仲間達を助けようと奮闘します。
そんなセイディに元婚約者のルーファスが故意に偶然に絡んでしまうのですが、とにかくルーファスがセイディを好き過ぎるんです。
婚約破棄した晩にはべそべそと酔い潰れる。ドレス姿が可愛いと柱に頭を打ちつける。冷たい態度を取ってしまい、嫌われた終わったと嘆く。
セイディに関しては不器用すぎてヘタレなルーファスですが、いざと言う時は騎士団長の面目躍如。
「必ず助ける」と頼もしい有言実行さです。
そしてついに真実を知ったルーファスは滅茶苦茶後悔します。
ルーファスも偽セイディに傷付けられた被害者ではあるんですが、心情的にはちょっと溜飲が下がりました。
1巻目は何度も読み返すほど面白いです。
最初はムカついたルーファスもだんだん可愛くいじらしく思えて来ます。こちらは⭐︎5つ。
でも2巻目はかなりキツかった。
セイディが悲惨な目に遭いすぎて読んでいてしんどいし、ラスボス女の企みとジェラルドのセイディへの執着が怖すぎて。
ラストは弱冠切なさも覚えますが、ハッピーエンドで上手くまとまっています。
でも中途のキツさでこちらは⭐︎マイナス1かな。
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