3.0
振り切ってゴー!
正直、私が求める猟奇モノとは違って、リアリティーもクソもなかった。
ただ、本作はハナからそんなもの志してはおらず、主人公の刑事の意識だけが過去にぶっ飛んで被害者に憑依するみたいなことをやって殺された過去を改変する、という滅茶苦茶な設定、これもう、真っ当なサスペンスでも刑事モノでも何でもなくて、SFっていうかファンタジーっていうか、そういうことじゃん。
タイムパラドックスとか、どうなってんだよ。
と言いたくなるが、「知らねえよ、そんなのよ」という作品の声が聞こえてきそうな漫画であって、まあ、これはこれでいいのかもしれない。
少なくとも作品に勢いはある。
振り切って、好きにやってくれ。
ただ、どうにも困ったのは、主人公の刑事の意識が過去に飛んで少女に乗り移っている間、少女の意識が主人公のいかつい刑事に入っている(要するに時空を超えて二人の意識が入れ替わっている)という点で、ゴリラのような刑事が女の子の言葉づかいでおめおめと泣くこの気持ち悪さ、滑稽さ、笑っていいものなのか?
多分いいんだろうけど、それにしては笑えない、という有様で、私は何とも言えない感情に襲われた。
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