4.0
けっこうシリアスな内容です。
読む前の印象と、実際に読んでみた後の
印象がちがうというか、変わる。
想像してたのと、いいイミでちがいました。
淡々と淡白に描かれてるようで、そうじゃない。
キャラから感情が溢れだす瞬間は
こっちも引き込まれて、ついウルッときてしまう。
設定・世界観がドラマや映画をみてる気分になりました。
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けっこうシリアスな内容です。
読む前の印象と、実際に読んでみた後の
印象がちがうというか、変わる。
想像してたのと、いいイミでちがいました。
淡々と淡白に描かれてるようで、そうじゃない。
キャラから感情が溢れだす瞬間は
こっちも引き込まれて、ついウルッときてしまう。
設定・世界観がドラマや映画をみてる気分になりました。
昔別れた家族(お兄ちゃん)への想いと、罪に悩み苦しみ自分を必要としてくれる海利への想いに悩む理世。理世と海利の愛は本物でとても切ない。
海利に助けられた性的被害を理世のお兄ちゃんからうけていた女性が、海利を助けるための証言をしてくれ、ありがとう、わたしは救われたといってくれたことが、一番ささった。海利の罪は消せないけれど、それで救われた命や心があるのも事実。だから、海利と理世もどうか幸せになってほしい。
海利、本当にいいやつだから。理世ちゃんもいいこだから。何度読み返しても泣けてしまう。
どこかで見た絵かと思えば。
花とゆめコミックスで連載描いてた作者さんだったのですね!
話の内容はただの恋愛だけにとらわれない重たいものですが、彼らなりの家族の形を見つけて終わりに出来たのはとてもよかったです。
そして『私の正しいお兄ちゃん』という表題の意味はここにくるのかと、かなり納得してしまいました。
伏線回収が上手で、お話もそうですが心理描写も丁寧で繊細なのがまたいいです。一本のサスペンスドラマを観たような重厚感に、ちょっとした余韻に浸れそうな感じです。
読み返さないと忘れてしまいそうな伏線もまた、正直エグい。例えば正己。
色々考えて敢えて匂わせる程度に収めたんでしょうが、ちょこちょこ正己サイドに対する伏線もあって、それが何とも複雑でした。(死際に「りぜ」と呼んだり、理世への無言電話、がお〜人形を形見と言ったり、実の父親を「ブッ殺した」とか…)描かれていないだけで、彼の倫理観のタガが外れてしまう何かがあったと容易に想像出来てしまう。
物語の中でも海利さんが言ってたけど、どこかでそうならないための出会いが正己にあったなら、もしかしたら三人仲良くまっとうな道で、普通の兄妹、普通の夫婦として在れたのかもしれない。そう思うとなんともやるせない。
普通の家族とは違う在り方だけれど、この結末が彼らに選択できる最上のハッピーエンドだったと思うし思いたい。
長々とすみません…。
話の途中までは、海利さんがお兄さんをころしてしまったのは間違いで、無罪を期待していました。
でもそれは間違いのない事実でした。
重い罪を犯した海利さんに、幸せな未来があるとはどうしても思えなかった。
警察の捜査が海利さん、りぜちゃんに及んだあたりは読んでいてハラハラしました。
最後は罪を償うエンドかと思ったけど、まさかの逃げ切りパターン。
立花さんの葛藤も辛い。誰のための警察、何のための法律なのか。
よくある話ではなく、何とも考えさせられる話でした。
2周目読んでみてやっぱり感想変えました。最初に読んだ時は、あんなに妹想いで良い子だったマサキが変わってしまったことに、よほど酷い目に遭ってきたのではないかと想像して、最期に妹の名前を呼んだことが切なすぎて感情移入してしまいそうになったけど、やっぱりどんなに辛い目に遭ったとしても人としての倫理観とか失っちゃいけないものがあるし、その一線を越えない人はたくさんいるのだから、それは言い訳にはならないんだよね…。すごく考えさせられる良い作品でした。
カイリの、リゼの一言で笑顔になったり切なそうにしたりする表情にやられました。憂いのある絵がすごくかっこよくて良いです。なので、最後に「カイリ」がいなくなって「お兄ちゃん」になってしまったのは少し悲しいです。
作者買いです。
なので、それなりに捻りのある作品だろうと思いつつ・・・
理世(りぜ)は、慎ましく生きている大学生で、趣味は寝ること。温かい布団の中で幼少期に生き別れた兄を思い出すことが幸せな時間だった。バイト先同僚の海利(かいり)は人当たりも良く成長した兄のイメージを重ねることがあり、近づくとちょっとドキドキしたり。そんなとき、理世の方にもたれて眠ってしまった海利は、時々肩を貸して欲しいとか理世に頼む。不眠に悩む海利をせめて寝かせてあげたいと思う理世は、海利を好きだということに気づく。偶然見てしまった日記で、海利の秘密を知った理世。同じ頃、アパート住人の少年課刑事の立花は、日頃から気にかけている理世を兄に合わせてやりたいと思い富山県警に問い合わせると、、、
最愛の兄を殺したかもしれない恋人と、最愛の兄だと思った人の真実と、自分の信念を信じて行動する人と、信じていた人に裏切られ、信じていた人に切り捨てられ。
常識、正しさ、正義って何だろう。
犯罪とされること、罪、償い。
憎しみ、救い、許し。
幸せの形って何だろうかと。
小説で映画にもなった「悪人」を思い出させるストーリーで。本当の悪人って誰なんだろうかと、考えてしまう作品です。
最後の最後まで読むと意外な展開になり、本作のタイトルに至るわけです。
正しさって何だろう?
最後は理世の思い描いていた理想の兄と暮らす事になるのですが。
二人が幸せになる事に、他人がとやかく言える立場ではないなぁと。
理世ちゃんには、幸せになって欲しいので、このハッピーエンドもありかな。
この先も幸せが続くことを祈ってしまいたくなりました。
序盤で主人公が孤独であるという事や
生き別れの兄を、片時も忘れず想っている事を描いているから
兄に似たバイト先の男性に惹かれていくという展開が自然で、感情移入しやすい。
それまで他人に傷付けられながら生きてきた主人公が
おそらく兄以外の人に初めて、肯定された喜びから当然の如く、好意は募る。
それが故、秘密を知ってしまった後もなお
彼への想いを断ち切れない。
設定はもちろん、ストーリー展開が素晴らしい!
ミステリーと恋愛要素が絶妙に混ざりあった内容と
何より心理描写が抜群にうまくて、緊張感が痛いほど伝わってくる。
うーん、傑作!ホントに面白い。
なんかもうすごい作品を見てしまったという気持ちです。一気に読み終えた今、胸がいっぱいです。
世界は正義か悪かそれだけではないということ、何にも囚われない愛のかたちがあるということ、それがよく表現された物語だと思いました。
家庭環境が理由で一人になった理世と海利が出会いお互いに惹かれたが、先に真実を知った理世の葛藤、後から真実を知り理世が真実を知った上でそばに居たと思う海利、どちらの気持ちも行動も正しく
そして間違っていると…
立花さんの思いも最後に書かれており、胸が苦しくなりました。彼も幸せでいて欲しいです。
誰も悪くない、強いて言うならどちらも父親に問題が有り有りで悲しくなりました…
正しいってなんだろう?正義ってなんだろう?という話で、どこかの素晴らしい賞を取った映画作品か何かかな?と思いました…
インスタの広告で見かけただけですが、出会えてよかった作品です。ありがとうございました。
はらはらさせられっ放しでした。一体どうなるのかと。釈然としない気もしますが、不幸にならなくてよかった。でもやっぱり釈然としないかな。海里は自主して刑に服して、理世は待つ。その方が本人たちも幸福だったのではないでしょうか。腹に一物、持ったまま生きていくのは辛いことだと思うのですが………。それにしても、思うことは親の状況が子供の人生を左右するという事です。
重い内容で気持ちが暗くなるストーリー。
展開が気になって一気に読んで、久しぶりに徹夜しました。
2人にとってのハッピーエンドではあるものの、正しいかどうかはわからない。
私は立花さんに共感した人間なので、モヤモヤしつつも、2人がどこかで幸せでいてくれるといいなという気持ちでいっぱいです。
2人が選んだ未来、大変なこともたくさんありそうだけど、この2人なら力を合わせて乗り越えていくことができるだろうなと思いました。