5.0
プロの漫画家の世界
の厳しさが本当によく分かる作品でした。
自分も小さい頃漫画家を夢見たことがあるだけに、瞬く間に全部読みきってしまいました(笑)
うーん…!とうならされます。
色々様々なことを考えさせられました。
特に大手の出版社に連載の作品を持っている作家さんは、
私が思っている以上、
いや想像を絶するほどの苦悩があります。
漫画家は頭脳労働。
それと同以上に体力・精神力が要求される過酷な仕事です。
自分の好きなように描かせてもらえない苦しみがあります。
作品イコールお金なんですよね、
それもビッグマネー。
出版社の編集者がOKを出してくれるネームでしか、描かせてもらえない。
それがイヤなら辞めろ、ということなんですよね。
その環境に耐えられそうにないなら、
別の安定した月給制の仕事をしながら趣味で作品を描いていくしかないですね。
手塚治虫の「火の鳥」某巻のあとがきに
赤川次郎のコメントがあったのを思い出しました。
「僕は本当は漫画家になりたかった。でも絵が下手でどうしても描けないので、
諦めて小説家になった」
と書かれてありました。
この作品では、
それと正反対の才能の持ち主が登場します。
そして自分の考案したネームを出版社の編集者にことごとく否定され、
悩みあぐねていた際に、アシスタントの仕事を頼まれて行く。
そこから大きな悲劇、ドラマが始まります。
画力とストーリー作成力、コマの構成力。
本当に全てを生み出す映画監督と同様の作業だと、この作品を読んで痛感させられました。
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