3.0
アイムソーリー、ラブコメ
学校を舞台にしたオカルト空間の描写はなかなか秀逸で、ときにハッとするような美しさがあった。
ただ、そんなことがどうでもよくなるくらい、不思議なことがある。
私はかなりのオカルト好きだし病的な妖怪好きであるが、びっくりするくらいハマれなかった。
おかしい、これはどういうことなのだろう。
本作、題材はオカルトだが、ジャンルはまあコメディと言ってよいのかと思う。
それは別に全然構わない。
私は「妖怪の飼育員さん」という妖怪ギャグ漫画が大好きで、満点をつけた。
しかし本作をコメディとして評価しようと思うなら、申し訳ないが、私はクスリとも笑えなかった。
まあ、本作、コメディはコメディでも、一種のラブコメだ。
怪異という名の衣をまとったラブコメ。
「ラブコメなんかじゃない!」と主張したい方、まあ、待って下さい。
じゃあ聞きますが、これ、主人公が女の子、「花子さん」でも成立します?
そういうことだ。
ミもフタもない言い方をするが、私はこの「ラブコメ」というのが決定的に苦手である。
というか、苦手である、ということに、今気づいた。
別に漫画に限らず、世の中には、「私は興味ないけど、それを楽しいと感じる人がいるのはわかる」という物事がたくさんある。
キャンプもサーフィンも私にとってはそうである。
ただ、この「ラブコメ」なるものは、マジでわからない。
ラブコメ好きの皆さん、ごめんなさい、でも、マジでわからない。
これはレビューなんかで絶対に書いてはいけない一言かもしれないが、「何が面白いんですか?」
嗚呼、今まで書いてきたレビューの中で、一番ひんしゅくを買いそうだ。
消されるかもしれん。
いや、ちょっと待てよ、じゃあ私は今まで読んだラブコメ漫画をどう評価してきたんだ、と思って、500以上のレビューをざっと見てみたが、信じられないことに、正統なラブコメと呼べそうな漫画はひとつもなかった。
この数年というもの、私は無意識にラブコメの地雷を回避しながら漫画生活を続けてきたことになる。
何だよその危機管理能力。
ジャンル自体の否定のようなレビューになって、申し訳ない。
ラブコメに責任はない。
悪いのは私だ。
ただまあ、ひとつ言わせてもらうと、私はオカルトが大好きだから、心のどこかでは、思ったのだろう。
オカルトを、ラブコメの飾りにすんなや、と。
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