5.0
三度おいしい名作
まず、お話も然ることながら、画力が素晴らしい作品です。そして、美術品や京都の名所に骨董品屋の孫の清貴の丁寧な解説が加わり、3度おいしい。変わり者3世代が経営するカフェのような骨董品屋に祖父のお宝絵巻をこっそり持ってきた事から、その目利きの才能を買われバイトとしてやってきた葵。凄腕鑑定士のオーナー、息子は作家、そして、孫はオーナーの眼力を受け継いだ学生で鑑定士見習いのホームズ。ホームズと言うニックネームは名字が家頭だから、といちいち孫の清貴ですが、ただ、巻物の鑑定を頼んだだけで、葵が無断で持ち出すほど、お金が必要だった事まで見抜き、その上で、自力で目的のためにお金を稼げるようバイトを勧め、またその目的について考える時間も与える。ホームズ清貴にやっかいな相談事が多いのは、鋭い洞察力で謎に迫るだけでなく、そうなったいきさつに心を寄せ、さりげなく仲を取り持ち、見守って、それぞれ納得させてくれる優しさが根底にあるからだと思います。また、しっかりとした絆を持つ3世代ですが、息子や孫はそれぞれ相手に嫉妬するような面もありながら、敬い合っている、というのも感慨深い。葵と清貴の恋物語もついてきて、お勧めです。
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京都寺町三条のホームズ(コミック版)