5.0
何年かに一度見かける傑作
めちゃコミックスさんで色々な作品を読ませていただき、一時的にはハマっても、課金してまでは続きはもういいかな、と無料分で読むのをやめたり、課金しても途中で続きを読まなくなったりがほとんどです。何しろたくさん作品が有って、次々読みたいものが有るので。
そんな中この作品は、熟練した上手な作家さんによって描かれた完成度の高い作品で、数年に一度の傑作という印象です。
愛を知らない男の子が、初めて嵐子に本気で恋をしたとかいう単純なことではなく、内面が未熟な男の子が嵐子に執着する感じがとても上手く説得力を持って描かれていて、嵐子のコミュ障チックなぼっちキャラも説得力が有ると思いました。栢くんの嵐子に対する執着は、恋というよりも、幼少期から今まで満たされてこなかった家族との愛や孤独から来る寂しさの全てが爆発して嵐子への執着となっていると思います。一方嵐子は、栢くんに対する感情を「何をするかわからない猛獣の赤ちゃんを育てている感じ」と表現する場面が有りましたが、本当に巧みでドンピシャな表現だと思いました。他の登場人物のキャラ設定も巧みです。
似た設定の作品は他にも有るかと思いますが、クオリティが高く説得力が有ると思います。
また絵がとても綺麗です。
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春の嵐とモンスター