5.0
鬼にはなり切れなかったね
最初、淡々と復讐をこなしていくヒロインがむしろ切なくて、悲しかった。
相手の懐に入り込んで、信頼されて、更に裏切っていく覚悟は、どれほどのものだっただろうか。
だけど、心がずっと悲鳴を上げていたからこそ、原点、母の最期を幾度も思い返し、決意をし直していたんだろう。
いつも思うが、相手の命を奪ってはいけない。それは、酷い相手に同情しているのではなくて、命の終わりは苦しみの終わりだと思うからだ。
ほんとうの復讐は生きて償ってもらうことだと思う。
生き地獄が続く方が、後悔という悶絶を味わうことの方がずっと苦しいから。
復讐の完遂は、相手の心からの謝罪と後悔を引き出したとき。
自らも死の病を得てしまった憂雨だったが、幸せな人生とは長さではないと思う。
残りの時間をやっと通じ合えた愛する慎一郎さんとせいいっぱい生き尽くして欲しいと願う。
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大正純愛復讐譚 ~母を焼き殺された私は鬼と化す~(分冊版)