5.0
読了!
静かに淡々と進む物語で、ものすごい起伏やドキドキハラハラはないけど、ひやっとしたり、「は?」とムカッとする展開や場面もあり、それなりに心揺さぶられる素敵な世界でした。
ルクルの礼儀正しい清らかな性格がこの世界を静かな美しいものにしている感じがします。
そして、竜というユリウスの存在は力強さを象徴しつつ、幼き頃の辛さや孤独が等身大の人間らしさを表現しているように感じました。
要所要所で登場する一見すると悪役たちも、それぞれ今に至る過去を持っていること、そして、ルクルがその傷に寄り添うと、凍っていた過去が溶けていく様を眺めていると、こちらも優しい気持ちになりました。
ルクルにも劣等感や傷があって、それに振り回されることもあったけど、それを癒してくれるのがユリウスであり、彼に寄り添うルクルの存在が、ユリウスの救いになるという、相互の愛情と労りが’ひかり’となっている。
優しい物語でした♪
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蒼竜の側用人