れれれこしゃんしゃんさんの投稿一覧

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11 - 20件目/全100件
  1. 評価:5.000 5.0

    転生した9歳の少女の運命の行方は?

    両親亡き後、嫁に行ったロジモンド公爵家で虐待の末、毒殺されて、9歳の少女に転生したイザベラが、過去の経験を駆使して懸命に生きる姿は、子供らしからぬ説得力がある。同じ轍を踏まない為の手段と行動力は9歳とは思えない決断力を感じる。苦労の末、バルムート公爵家のユータと婚約し、そこで成長し、彼らと共にロジモンドに挑む姿は騎士を思わせる勇敢さがある。亡き両親への思いがイザベラを支え、優しい婚約者のユータと手を取り合い、いつも助けてくれるバルムート公爵家のキャラハンへの感謝の気持ちを忘れず、果敢に戦い、生き抜こうとする姿が素晴らしい。復讐というよりも、如何に生きるか、どのように生き残るか、絶えず懸命にもがき、答えを見つけていく姿勢が印象的で好感が持てる。

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  2. 評価:5.000 5.0

    タイトルが物語る主人公の姿勢

    母の死後、主人公のリンは厳しく理不尽な状況の中、懸命に働き健気に生きてきた。髪の毛が皇室特有の銀色であることから公爵家に買われ侍女として勤める。どんなに虐められても蔑まれても、彼女は恨んだり、怒りをぶつけることなく、ひたすら自分に正直であろうとする。公爵家の息子に弄ばれ妊娠しても、彼を恨むことなく静かに去る。リンにとって妊娠は、唯一の家族の存在であり、かけがえのない希望の光であった。リンは無事に出産し二人で暮らすこと以外望んでいない。誰に依存することもなく、子供を愛し育てたいだけだ。お腹の中の子供を慈しむ姿が健気で、妊娠してからの彼女の笑顔が美しい。後に彼女は王室の隠し子という事実が判明し、周りの人々の思惑もあるが、彼女と子供の喜びや笑顔を壊す権利は誰にもない。

    • 5
  3. 評価:5.000 5.0

    野獣は意外と紳士的

    最初、タイトルの露骨さに思わず笑ってしまったのですが、読み始めると、比較的スローな流れで、いつ物語が展開するのかなと楽しみになりました。野獣といわれる赤城さんは仕事の出来るエリートな商社マンで、野獣というより、むしろ紳士的で気遣いのできる男性だと思います。ヒロインの有紗は、年齢の割に奥手で、誠実で勤勉に働く、どちらかというと地味な女性です。赤城さんに惹かれますが、内気な性格から自分をアピールするのが苦手で四苦八苦する様子が可愛いです。そんな有紗を見初める赤城さんに振り回されながら、自分の気持ちに気づいていく有紗の心模様が微笑ましい作品です。赤城さんの積極さと情熱に飲み込まれても大丈夫だから、思い切って飛び込んでみたらと応援したくなる作品です。

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  4. 評価:5.000 5.0

    過酷な生きざま

    妖のお話が好きで、しかし、のどかな妖ほのぼのストーリーではないんです。かなり過酷な妖と人間の生きざまが描かれており、人間社会との共通点もありますが、妖特有の厳しさ、悲しさ、脆さが随所に垣間見える素敵な作品です。天狗の匡と実沙緒の出会いは幼少期に始まり、匡の修業期間の10年間の空白を経て、二人は再会します。それからの二人は宿命に翻弄されながらも互いを尊重しあい、絶えず相手のことを思いやるあまり傷つけあいながら、お互いの思いを成就すべく運命と戦います。その過程があまりに素晴らしく、時には痛々しく、何故ここまで追い詰められなければいけないのかと思うほど過酷さを背おわされていますが、二人の決して諦めない生き方が感動的です。唯一の癒しは太郎、次郎、三郎の三つ子の天狗が可愛いことかな。

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  5. 評価:5.000 5.0

    内容はタイトルそのもの!

    主人公の郷原さんは、半端なく熱心なスカウトマン! 日本国中、神出鬼没で精力的に金の卵を探し、見守り、育て上げ、プロの野球選手となるべく送り出す。その手腕、行動力、情熱がとにかく凄い! 光る才能を見つければ、中学生の頃から見守り続け、親子関係、家族状況、経済事情までも考慮して選手に対応する。才能を開花させる為の、あらゆる手段を駆使して選手を理解し保護しようと試みる。仕事とはいえ、郷原さんのぶれない姿勢と情熱には驚くばかりで、頭が下がる。彼に見出された選手は幸せかもしれない。でもその栄光を勝ち取るのは選手次第。彼の仕事はプロに送り出すまで。心底野球が好きでなければできないだろう。好きなだけでもできない。彼の不屈の魂とエネルギーはどこからくるのだろう?

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  6. 評価:5.000 5.0

    彩芽の成長した姿が見たい!

    黒龍、朔と彩芽の出会いは、彼女が生贄として捧げられたものであったが、朔は不幸な生い立ちから声を失った彩芽の悲しみを知り、彼女を慈しみ大切にする。彩芽も彼の優しさや深い思いやりに触れ、二人は心を通わせ、寄り添い共に生きたいと願うようになる。話せない彩芽の筆談で気持ちを伝える健気な姿が朔の心を打つ。今は名ばかりの夫婦で、彩芽は朔のために何をしていいかわからないが、これから色々学んで、困難や試練を乗り越えて、ただ愛されるだけではなく、朔を心から愛し支える強い妻になれることを願い祈る。いつか名実ともに朔の妻と胸を張れる彩芽に会いたいと思う。

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  7. 評価:5.000 5.0

    当たり前の中にある幸せの尊さ

    森に住む母猫は、幼い子供たちを懸命に育てている。それは猫だけでなく、母を亡くした竜の子や悪魔の子に至るまで、分け隔てなく慈しみ、愛情を注ぎ、育む姿は微笑ましい。そのように育って巣立った子供たちも自分が育てられたようにわが子を育てる。母猫に育てられた竜はその恩を忘れず、多くの猫たちの子供を立派な大人の猫に育て上げる。幼い弱い子供を育てることは当たり前の事だが、愛情と信念と忍耐が必要とされる。当たり前のことは棚から牡丹餅ではなく、並大抵の覚悟と努力が必要で容易いことではない。そのたゆまない努力の結晶が私たちが感じる幸せなのではないだろうか? この物語は私達にその大切さを静かに優しく諭してくれる、心温まるエピソードで溢れている。

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  8. 評価:5.000 5.0

    バネッサは、いったい何者?

    足長おじさん的要素を含んだ物語展開が微笑ましい。先生と呼ぶ支援者からの助けで、孤児のバネッサが何故、英才教育が受けられる学院に入学することができたのかが疑問だ!バネッサがいい子で賢いからかもしれないが、それだけではないだろう。夏休みも避暑地に滞在し楽しく過ごし、ギドウという魔法使いと親しくなり、時折バネッサに会いに来るが、彼が支援者の先生ということをバネッサは知らない。おそらく、バネッサ自身も気づいてない特殊な能力が彼女にはあり、それを育てる為に彼女の支援が必要なのではないだろうか?バネッサはそろそろ卒業後の将来の職業を悩み始めているが、在学中に彼女は能力を開花させて、おのずと道は開かれるだろう。彼女の希望する未来が広がることを願い、彼女の幸せを祈る。
    余談だが、私はㇹニルが欲しい!

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  9. 評価:5.000 5.0

    作者の意図するもの?

    読者が納得しても、納得しなくても、物語は終わりを告げる。終盤は皆が落ち着いて穏やかに暮らしているようだが、最初から中盤までは酷かった。これでもかというほど理不尽な行為が繰り返され、主人公はボロボロになった。今は落ち着いている父も罪深い事をたくさんしたし、義弟も実の父の血を引く強引さがあり、悪魔のような継母の根性は変わらないし、祖母の無念は晴らされていない。快くんも最初は冷酷で酷い男だった。主人公は彼らに苦しみ続けた末、それを乗り越えようとしているのは立派だが、彼らの罪は消えたわけではない。彼らはしたことの報いを受けることなく物語が終わるのは何故だろう?作者はそれを私たち読者に託したのかもしれない。あなたならどうすると?そういう意味で読者の心に深く残る作品であることは間違いない。

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  10. 評価:5.000 5.0

    ネギの毒は強烈だ!

    痛快なストーリー展開が心地いい作品。経済学者である加茂教授のカモリズム理論は経済学のみならず心理学的要素がふんだんに盛り込まれた非常に興味深い側面に好感がもてる。弱者から搾取を繰り返す詐欺師たちに立ち向かう姿は、あたかもクロサギを思わせる。彼の手法は、彼の理論に基づき、その信念と覚悟と財力をもってして完成する。そして彼の目的は、弱者救済の正義を旗印に挙げるのではなく、彼の理論や仮説の実証実験としての野外活動、フィールドワークとして遂行されているのが実に潔い。彼がネギに仕込む毒は強力で、詐欺師たちの思い込み、安心、油断、傲慢さに作用し、ことごとく潰していく。彼に備わる多方面の知識、才能、行動力はぴか一で、生きた経済学と心理学の実践であり理想といっても過言ではない。

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