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悪役と、どっち?
荒野といえど、何とかしよう、とひたむきに努力していく姿は美しい。悪役って何?読み進むうち悪役悪役というタイトルが示しているのは、別の人物だ、と分かって、スッキリ。
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20078位 ?
荒野といえど、何とかしよう、とひたむきに努力していく姿は美しい。悪役って何?読み進むうち悪役悪役というタイトルが示しているのは、別の人物だ、と分かって、スッキリ。
聖女、悪女という分け方は、あくまで、一面を見ての評価。努力している姿を、これみよがしにアピールする者もいれば、努力は日々の積み重ね、目立たないところで他者のためにとする者。違いは、いつか「目に見える」カタチで現れる。相手のことを考え、先を見据えた思慮。聖女と呼ばれなくても、真摯に生きるヒロインに乾杯!
傷を負っている二人。少しずつ理解し合って、寄り添っていく姿は美しい。溺愛というタイトルだが、一方的な溺愛ではなく、これはまさに両思い。ファンタジーではあるが、誰かのためにと考えて行動する、そんな姿に癒される。自身もそうなれたなら、ついついそんな思いが。
視覚がなくても、心は見える。虐待されても、誰かの役に立ちたい、と考えているヒロイン。二人のおずおずとしながら、近づいていく心の動きが、丁寧に描かれている。ハッピーエンドになるだろうとは思うが、まだまだ紆余曲折があるのでは?ある意味、二人の愛が試される、そんな予感が。
ヒロインの温かさは、最悪の環境の中でも消えることなく、他者に示される。一人の温かさは、周囲に伝播し、皆の心を暖かくするとともに、さらなる温かさをも生む。気分が落ち込んだ時、慰められるし、自身も在り方を問い直すことができる作品。
傷ついた彼女に寄り添いたい彼。思いはいっぱいあるけれど、言葉にするのは、熟考した上での僅かなもの。そこがまたよい。心の温かな人、思いやりのある人こそ、素晴らしい。
前作、斉藤さんがとてもよかったので、もっとが出た時は嬉しかった。頑なさが緩和し、一層、内省的になっている斉藤さんの考え方、生き方がステキ!笑ちゃんの言動を見ていると、斉藤さんがしっかりしつけ、向き合っていることがよくわかる。
どんな環境や出来事にも動じることなく、前向きに対処するヒロインに魅了される。人は外見で判断するが、しとやかで、たおやな姿の中には、病弱ゆえ、厳しい鍛錬を行い、一生懸命に生きているヒロイン。今後の展開がねますます楽しみ。
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婚約を破棄された悪役令嬢は荒野に生きる。