5.0
ありえなさをキャラの魅力で捩じ伏せる
「親の再婚で新しい家族が〜」なテンプレ始まりなのに、"よくある設定"ではないという斬新さよ
まず「母の再婚相手の遠縁で暫定的に引き取られている男子」ってさ、義理の弟ですらないよね?
戸籍上は全くの他人?なら恋愛的な障壁はテンプレ義理の姉弟より低いはずなのに、
しかも最初からゼロ距離レベルに距離感バグってるのに、恋愛にならなさそうなのが逆にすごい笑
それも、らんちゃんと栢くんのとんでもキャラあってのこと
人間関係から逃げ回って豚の孫助さんをひたすらに愛でる自称コミュ障らんちゃんだけど、家庭内に現れたモンスターとはちゃんと向き合う(そもそも逃げ場ないんだけど)
テンパっても頭のどこかは冷静で、ゼロ距離モンスターのスキンシップにもあまり動じないし流されない、だからって拒絶もしない
栢くんにアワアワしつつも、唐突に冷静になってスン。とする顔がたまらない笑
栢くんは超ギリギリを攻めたキャラで、性格設定がちょっと違ってたら漫画なのに「ありえん!ふざけるな!」ってなってしまいそうな危うい男子
そこをギリギリで踏みとどまらせるバブみ。
「どうせ、らんちゃんには本気で酷いことなんてしないんでしょ?」なんて楽観視できないくらいに常識が違うし色気も溢れてるけど、でもやっぱり信じたくなる不思議なバブみ。
脇を固めるクラスメイトも爽やか純情好青年に、腹黒系あざと女子と、その他モブも濃ゆめだけど嫌なキャラが少ないのも良き
親は…もうちょい子供の環境整えてやれよと言いたくなる
栢くんはカウンセリング・治療・専門の教育とか必要なレベルの生育歴だと思うけど、その不安定さを全部らんちゃんが受け止めてるからさ
家どころか学校生活も侵食されてるくらいで、下手するとヤングケアラー感が出ちゃう
そこをまた、じわじわと成長を見せる栢くんが踏みとどまらせてくれてるんだけど
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春の嵐とモンスター