5.0
アラカンの着物ばばあです(出掛けるときは着物)
若いコが着物を着てくれないと、先細りしていくのが目に見えているので、こんな風に恋愛と美味しいものと組み合わせてファッションとしての着物を見せてくれるの、とても好ましく微笑ましく読ませていただきました。
作者は着物のことをよく取材してるみたい。イマドキのSNSを使った活動とか物販とか新しい帯結びとかも描かれてる。若いコを惹きつけるためには、今まで通りの呉服屋の売り方や昭和の価値観は通用しないと考えていますので、そういったところも好ましいです。ちなみに花が盛りのときに花と競わないというのは、戦後に言われるようになった美意識のひとつで、ルールではありません。着物を伝統として捉えるのではなく、リアルクローズとして楽しめるようにならないと、式服以外生き残れない。その式服ですら風前の灯です。自分はどこに行くのも着物で、都心なので特に誰に何も言われませんが、珍しいけどオバちゃんだから見逃されているのを感じます。若いコだとひと目につくのでハードル高いかも知れませんが、お好きな人は頑張って着続けて欲しいです。
主人公が着付けするときのちょっとした仕草(紐を結んでから背中のシワを指をかけて伸ばすとか)や、着たときにできる脇のシワとかの描写もリアルで良かったです。
着物や小物類の色を脳内で再現しつつ読みましたが、着画がカラーだったらもっと良かったなと思いました(笑)
-
0
恋せよキモノ乙女