城を抜け出した話からここまで唐突に読み返して当時と異なる考察。全話読み返したわけじゃないので記憶違いあると思います。
《前提事実》
・イネットは本来天真爛漫でお転婆で自由を楽しむ子供だった
・幼少期のキス事件以降は自由なし。
・「バルデマルであること」を誇りにしていたのに、筆頭バルデマルである父にとっては単なる道具だった。
・双子のヨハンの事は姉として大好きだった。
・閉じ込められて屈辱的であっても「自分の力で」耐え抜いて「貞淑」を守り王族と結婚という「バルデマルに相応しい」結果に誇りを持ち生きる事を「選んだ」
《心境考察》
・両親を筆頭にイネットを尊重してくれる人が誰もいなくても、ヨハンだけは味方で応援してくれると信じていた。それなのに最初の夫を殺された。姉が弟に望んでいた愛は裏切られた。
・キス事件も夫殺害もイネットには想像できない不幸な結果を招いた。原因はヨハン。(記憶喪失中の最序盤でも、殺したいほど愛して嫉妬していたとあったはず)
・それでもいつも罰せられたのはイネットだけだった→自己肯定感育たず
・全ての不幸の原因だから殺してやりたいけど、そんなヨハンを結局愛している自分が受け入れきれない。
・結局、男の力と権力で生きている自分も受け入れきれない。
・私イネットは何も成し遂げられない。この結果は、ヨハンと一緒にいる限り付いて回る。
・でも!シンプルに気持ちだけを考えれば、イネットとヨハンは愛し合っていてお互いが必要で、2人で1つの運命共同体で、イネットが主人の所有物なのではなくお互いがお互いの物!…と信じたいけど、14年閉じ込められ物事を学ぶ機会も少なく世間を知らないイネットは対等であると思えない。嫌だと言っているのに「貞淑」(イネットが12歳まで守った唯一の誇り)は汚された。尊重されなかった。
・少しでも尊重されないと、12才の心臓握らされ体験と父親や爺夫からの暴力への恐怖と怒りがフラッシュバックする。
《結果》
子ども(二人で成し遂げたこと)が出来るまで、ヨハンが「不変の価値」をイネットに示し続ける状況がずっと必要でした。新しい世界を目の当たりにするたびに不安定になるから。
《所感》
まーーークレチマンが悪いけど、ヨハンが最初の夫を殺さなかったらイネットは平凡に生きた可能性もあるわけだし?ヨハンが頑張るしかないっすね😅
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魔鬼
104話
魔鬼(104)