4.0
それはきっと、取り戻せない
夫婦生活の有無がクローズアップされているけれど、それは、この漫画が提示している問題の一部でしかない気がする。
これは結局、「ある時期」を過ぎた大人が、どう生きていこうか、あるいは、夫婦として、どう暮らしていこうか、という話だと思った。
「幸せかもしれないけれど、何か満たされない」という微妙な渇き。
ないものねだりのようでもあり、でも、笑い飛ばすこともできない、「こんなのじゃないんだ」という違和感。
そんな、大人の感情の機微みたいなものが、なかなか巧みに表現されていた。
まあ、わかる。
私だけではなくて、多分、多くの大人の読者が、まあ、わかる、と感じたのではなかろうか。
「自分の人生は本当にこれでいいのだろうか」というような不穏で切ない大人の感傷みたいなものは、ある程度の年月を生きてきた大人であれば、程度の差こそあれ、持つものだと思う。
ただ、主人公の女性に対して決定的に賛成できないのは、「あの頃」あったものを「取り戻したい」という願望である。
それはきっと、取り戻せない。
というか、取り戻せないからこそ、価値のあるものだったのだし、全ての価値あるものは、本来、そういうことなのではなかろうか。
どんなに悲しくても惨めでも、取り戻したりは出来ないから、だからまた、二人で、新しい何かを作ろうね、と。
あの頃と同じ遊び方はもう出来ないけれど、あの頃は出来なかったような遊び方を、いつまでも一緒に探そうね、と。
私は、夫婦って、そういうものだと思うのだけれど。
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それでも愛を誓いますか?