1.0
焼きプリン
先に言っておくが、私は本作にムカついているので現在いささか機嫌が悪く、かなり性格の悪いことを書く。
登場人物をわざわざプリンだとかババロアだとかで表現しているのがアイデンティティーなわけでしょう。
離婚というシリアスな物事をゆるい絵で描いてみたよ、と言いたいわけでしょう。
だったらコメディとして機能していなければしょうがないと思うのだが、はっきり言って絶望的につまらない。
こういう系の漫画に対して私が感じることは大体いつも同じだ。
大人はもう少し自分の人生に責任を持て。
夫がクズのような人間だった。
はいはい、気の毒ですよ。
しかしだ、何かを自分の意思で選んで失敗した責任を、全部誰かのせいにして生きてゆけるほど、私たちの人生はイージーモードではない。
例えば、ギャンブルに大金をつぎ込むことを選んで失敗した。
それって、そこまで同情されるか?
「自業自得だ」ってならないか?
結婚なんて、自分の人生を賭けた一種のギャンブルだろう。
誰に強いられたわけでもない、義務でも何でもない、ただ、一人の相手に、自分の人生というチップを賭けて、そして、負けたんだろ。
それが相手だけのせいなのか。
競馬で負けて、責められるべきは馬なのか。
私は何も、全てお前の責任だ、と言いたいわけではない。
人生には不運もある。
だが、運・不運に左右される物事を引き受ける覚悟がなければ結婚なんてすべきではないし、それに敗れたなら、百歩譲って、責任は二人のものであるべきだ。
一方だけを悪者にするのはフェアじゃない。
相手がどんなに酷い人間であってもだ。
繰り返す、そのクズに賭けたのはお前だぞ。
離婚直前、イケメンの医者になっていた初恋の人、じゃなかった、ケーキに出会って…という終盤の展開は冗談抜きで吐き気がした。
ご都合主義だから、ではない。
可哀そうな私にはこれくらいいいことあってもいいわよね、という腐った被害者意識が透けて見えるからだ。
いい加減にしろ。
お前なんか焼きプリンにしてやる。
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離婚まで100日のプリン マンガでわかる 決別or再構築、どうしよう?