3.0
読ませるけれど
タイトルのとおり、様々な母親に「寄生」して渡り歩く少年の話。
実に気色の悪い話で、生理的なレベルの嫌悪感を喚起する描写も多く、何よりまともな登場人物が一人もいない。
どういう行動原理に基づいて生きているのか理解に苦しむ人間ばかりで、リアリティーもクソもない。
しかし、ここまでどいつもこいつもトチ狂っていると、これはもう、ひとつの味と言って差し支えないくらいのレベルに達しているかと思われる。
また、不思議と読ませる力はあり、何だかんだで一息に読んでしまった。
何であれ、作品に一定のエネルギーがなければ、こうはならない。
しかし、面白かったのかと言われると、決してそんなことはない、と言わざるを得ない。
漫画を商品として考えるならば、まあ、読ませたら勝ちなんだけど。
- 11
マザーパラサイト