rokaさんの投稿一覧

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71 - 80件目/全513件
  1. 評価:4.000 4.0

    認めざるを得ない

    評価には迷ったし、決して好きな作品でもなかったのだが、どういったってこの突出した独自性は認めざるを得ない。

    今まで読んできた全ての漫画の中で最もレビューが困難な作品のひとつであり、また、これほどレビューとして何かを書くことが無意味な作品も珍しい。

    とにかく読んでもらうしかない、という種類の漫画。
    読んでどうなるかということについては、何の責任も持てないけれど。

    • 4
  2. 評価:4.000 4.0

    気合いの入ったバンパイア

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    まず、吸血描写が実におぞましく、美しい。
    もちろん、画力の高さもあるが、吸血鬼の漫画である以上、絶対にオリジナリティーのあるハイクオリティーな吸血描写を描いてやるんだ、という気合いを感じた。
    その心意気やよし。

    最初は、吸血が性_交のメタファーになっているのかと思ったが、それにこだわった話でもなく、少年バトル漫画のような趣もあり、ただ、そのいずれもいささか中途半端な印象は受けた。

    しかし、作品の骨子は多少ブレながらも、「永遠に生きる存在」としての吸血鬼の悲哀を描く、という点は一貫していた。

    ジャンルとして「吸血鬼の漫画」ということで考えれば、それに求められるものは十分に満たした作品だったのではないかと思う。

    • 7
  3. 評価:2.000 2.0

    違和感と嫌悪感

    もう随分と昔の話になるが、高校の頃、オウムの一連の事件に関する本を何冊か読んだ。
    おそらく、オウム真理教という存在にまつわる「なぜ」という問いは、当時の私にとって、なかなか重たいものだったのだろう。

    こういう言い方は何だが、今にして思えば実に馬鹿げた事件だったと思う。
    しかし、その馬鹿げた事件が異様な規模で起きてしまったことが恐ろしいのであって、雑に言えば、それが時代というものであり、人間というものなのだろう。

    「今更」こういう漫画が世に出ることを、別に否定はしない。
    ただ、ペラペラの考察をいかにも深みがあるかのように煽る演出は茶番もいいところで、言葉は悪いが、馬鹿じゃねえの、という感想しか湧かなかった。

    基本的なトーンがコミカルなのも考えもので、私は何かと不謹慎、不謹慎と騒ぐのは嫌いだが、コミカルに描きながらそれが絶望的につまらないので、違和感と嫌悪感だけが募ることになった。

    漫画でオウムのことを知ろうと思うなら、小林よしのりが描いたものを読む方が、百万倍有意義かと思われる。

    • 11
  4. 評価:3.000 3.0

    メタファーとしての吸血鬼

    古来より、吸血鬼というのは、資本家や貴族などの支配階級が労働者や農民を搾取することのメタファーとして描かれてきた。
    本作も多分、そうなのだろう。
    そういう意味ではなかなかクラシックな作風と言える気がするし、古典的なテーマを現代のフォーマットに落とし込むという手法自体は嫌いではない。

    しかしまあ、何か物足りないな、という感想は終始つきまとい、私はあまり乗れなかった。
    ひとつには、登場人物が多すぎて、一人一人の掘り下げが浅く、かといって群像劇として機能しているわけでもなく、生き残りをかけたはずの船上の活劇が、あまりスリリングに感じられなかったせいではないかと思われる。

    • 4
  5. 評価:3.000 3.0

    気合いの入ったスプラッタ

    中身も何もあったものではないのだが、内臓でろでろ、血飛沫びしゃびしゃ、なかなか気合いの入ったスプラッタにはなっている。
    こういう作品もあっていい、というか、こういう作品があった方が世の中は健全だと思う、いやマジで、冗談抜きで。

    ただ、あんまりこういうモラリストみたいなことは言いたくないのだが、「子ども」である必要あんの?という違和感はどうしても拭えなかった。
    何となくショッキングに見えるから、というような安直さでこういう漫画に子どもを「使って」しまえる姿勢というのが、私は好きではない。

    • 2
  6. 評価:2.000 2.0

    何なの?

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    曜日ごとに人格が入れ替わる、という男の話、らしい。

    「らしい」と妙な言い方をしたのは、私にはどう考えてもそういう話には思えなかったからである。

    読んでもらえば伝わると思うのだが、「人格」が入れ替わる、という漫画の表現として成立していない。
    肉体を含めてただ別の人間になっているようにしか見えない。

    私の頭には「は?人格?」と絶えず不快なクエスチョンマークだけが浮かび続け、マジで何が何だかわからなかった。
    訳がわからないということは、とても恐ろしい。

    • 4
  7. 評価:4.000 4.0

    妖怪への執着

    罪人が妖怪に見えてしまう、という特殊能力を持つ主人公が、奇怪な相談所の助手として働くことになる、という話。

    私は幼少期より重度の妖怪オタクなので、はっきり言って妖怪を扱った漫画には厳しい。
    そういうわけで、いきなりオタッキーで偏屈なことを言って申し訳ないが、妖怪という存在には本質的に「善悪」はないと思うので、「罪人」という人間サイドの勝手な物差しが妖怪という姿に具現化される、という設定には根本のところで違和感があった。

    おそらく京極夏彦の影響はあるのだろうが、はっきり言ってレベルが違う。

    ただ、妖怪に対する執着、何としてもそれを描くのだ、という熱意みたいなものは明確に伝わったし、方向性やスタンスは違えど、本作に妖怪に対する愛情があると認めることについては、やぶさかでない。

    • 36
  8. 評価:3.000 3.0

    読ませるけれど

    タイトルのとおり、様々な母親に「寄生」して渡り歩く少年の話。

    実に気色の悪い話で、生理的なレベルの嫌悪感を喚起する描写も多く、何よりまともな登場人物が一人もいない。
    どういう行動原理に基づいて生きているのか理解に苦しむ人間ばかりで、リアリティーもクソもない。
    しかし、ここまでどいつもこいつもトチ狂っていると、これはもう、ひとつの味と言って差し支えないくらいのレベルに達しているかと思われる。

    また、不思議と読ませる力はあり、何だかんだで一息に読んでしまった。
    何であれ、作品に一定のエネルギーがなければ、こうはならない。

    しかし、面白かったのかと言われると、決してそんなことはない、と言わざるを得ない。
    漫画を商品として考えるならば、まあ、読ませたら勝ちなんだけど。

    • 11
  9. 評価:2.000 2.0

    勉強不足

    風変わりな精神科医の主人公が、患者の深層心理を解き明かす、的なサスペンス。

    正直、この題材を扱うにしては、勉強不足。
    ちょっとかじったレベルの心理学、精神医学を漫画に「取り入れた」程度で、素人目に見ても、さすがに浅すぎるし、リアリティーも何もあったものではない。

    別に精神医学に限らないが、ある程度専門性の高い分野に踏み込む漫画には、もうちょっとちゃんとしてくれ、と思う。

    • 5
  10. 評価:3.000 3.0

    私が悪いのだ

    潔癖症の男と視線恐怖症の少女の変則ラブストーリー。

    丁寧だと思った。
    寄生虫がらみの設定も捻りが利いていて悪くないと思った。
    しかし私は、まるで作品に入り込めなかった。

    なぜだろう。
    二人の恋が排他的だからだろうか。
    いや、私は、排他的な恋愛、大いに結構、と思っている。
    それにまつわる諸々を引き受ける覚悟があれば。

    目立った非もあげつらう粗も見当たらなかった。
    ただ、好きになれなかった。
    しかし考えてみれば、恋だってそういうものである。

    一定の割合で、どうしてもこういう作品にぶつかってしまう。
    そういうとき、私は基本的に、自分が悪いのだ、と思うことにしている。
    作品に罪はない。
    そんなわけで、このレビューは何の参考にもならない。

    • 3

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