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作品レビュー
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51 - 60件目/全498件

  1. 評価:3.000 3.0

    メタファーとしての吸血鬼

    古来より、吸血鬼というのは、資本家や貴族などの支配階級が労働者や農民を搾取することのメタファーとして描かれてきた。
    本作も多分、そうなのだろう。
    そういう意味ではなかなかクラシックな作風と言える気がするし、古典的なテーマを現代のフォーマットに落とし込むという手法自体は嫌いではない。

    しかしまあ、何か物足りないな、という感想は終始つきまとい、私はあまり乗れなかった。
    ひとつには、登場人物が多すぎて、一人一人の掘り下げが浅く、かといって群像劇として機能しているわけでもなく、生き残りをかけたはずの船上の活劇が、あまりスリリングに感じられなかったせいではないかと思われる。

    • 3
  2. 評価:3.000 3.0

    気合いの入ったスプラッタ

    中身も何もあったものではないのだが、内臓でろでろ、血飛沫びしゃびしゃ、なかなか気合いの入ったスプラッタにはなっている。
    こういう作品もあっていい、というか、こういう作品があった方が世の中は健全だと思う、いやマジで、冗談抜きで。

    ただ、あんまりこういうモラリストみたいなことは言いたくないのだが、「子ども」である必要あんの?という違和感はどうしても拭えなかった。
    何となくショッキングに見えるから、というような安直さでこういう漫画に子どもを「使って」しまえる姿勢というのが、私は好きではない。

    • 2
  3. 評価:2.000 2.0

    何なの?

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    曜日ごとに人格が入れ替わる、という男の話、らしい。

    「らしい」と妙な言い方をしたのは、私にはどう考えてもそういう話には思えなかったからである。

    読んでもらえば伝わると思うのだが、「人格」が入れ替わる、という漫画の表現として成立していない。
    肉体を含めてただ別の人間になっているようにしか見えない。

    私の頭には「は?人格?」と絶えず不快なクエスチョンマークだけが浮かび続け、マジで何が何だかわからなかった。
    訳がわからないということは、とても恐ろしい。

    • 4
  4. 評価:4.000 4.0

    妖怪への執着

    罪人が妖怪に見えてしまう、という特殊能力を持つ主人公が、奇怪な相談所の助手として働くことになる、という話。

    私は幼少期より重度の妖怪オタクなので、はっきり言って妖怪を扱った漫画には厳しい。
    そういうわけで、いきなりオタッキーで偏屈なことを言って申し訳ないが、妖怪という存在には本質的に「善悪」はないと思うので、「罪人」という人間サイドの勝手な物差しが妖怪という姿に具現化される、という設定には根本のところで違和感があった。

    おそらく京極夏彦の影響はあるのだろうが、はっきり言ってレベルが違う。

    ただ、妖怪に対する執着、何としてもそれを描くのだ、という熱意みたいなものは明確に伝わったし、方向性やスタンスは違えど、本作に妖怪に対する愛情があると認めることについては、やぶさかでない。

    • 6
  5. 評価:3.000 3.0

    読ませるけれど

    タイトルのとおり、様々な母親に「寄生」して渡り歩く少年の話。

    実に気色の悪い話で、生理的なレベルの嫌悪感を喚起する描写も多く、何よりまともな登場人物が一人もいない。
    どういう行動原理に基づいて生きているのか理解に苦しむ人間ばかりで、リアリティーもクソもない。
    しかし、ここまでどいつもこいつもトチ狂っていると、これはもう、ひとつの味と言って差し支えないくらいのレベルに達しているかと思われる。

    また、不思議と読ませる力はあり、何だかんだで一息に読んでしまった。
    何であれ、作品に一定のエネルギーがなければ、こうはならない。

    しかし、面白かったのかと言われると、決してそんなことはない、と言わざるを得ない。
    漫画を商品として考えるならば、まあ、読ませたら勝ちなんだけど。

    • 10
  6. 評価:2.000 2.0

    勉強不足

    風変わりな精神科医の主人公が、患者の深層心理を解き明かす、的なサスペンス。

    正直、この題材を扱うにしては、勉強不足。
    ちょっとかじったレベルの心理学、精神医学を漫画に「取り入れた」程度で、素人目に見ても、さすがに浅すぎるし、リアリティーも何もあったものではない。

    別に精神医学に限らないが、ある程度専門性の高い分野に踏み込む漫画には、もうちょっとちゃんとしてくれ、と思う。

    • 4
  7. 評価:3.000 3.0

    私が悪いのだ

    潔癖症の男と視線恐怖症の少女の変則ラブストーリー。

    丁寧だと思った。
    寄生虫がらみの設定も捻りが利いていて悪くないと思った。
    しかし私は、まるで作品に入り込めなかった。

    なぜだろう。
    二人の恋が排他的だからだろうか。
    いや、私は、排他的な恋愛、大いに結構、と思っている。
    それにまつわる諸々を引き受ける覚悟があれば。

    目立った非もあげつらう粗も見当たらなかった。
    ただ、好きになれなかった。
    しかし考えてみれば、恋だってそういうものである。

    一定の割合で、どうしてもこういう作品にぶつかってしまう。
    そういうとき、私は基本的に、自分が悪いのだ、と思うことにしている。
    作品に罪はない。
    そんなわけで、このレビューは何の参考にもならない。

    • 2
  8. 評価:3.000 3.0

    残念な着地点

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    都市伝説を調査する部署が警察にある、しかも主人公は不死身の刑事、という無茶な設定だが、何だかんだで結構読んでしまった。

    話の基本線は、「都市伝説の正体が実は人間」というもので、この着想自体は面白いというか、個人的に好みで、ワクワクした。
    ときには「現実的な文脈で説明がついたけれど、ひょっとしたら…」とオカルトを匂わせるような結末もあり、私はこのパターンが盲目的に好きなので、それもよかった。

    しかしまあ、肝心の「正体」の部分があまりパリッとせず、感嘆するような発想や意外な広がりや掘り下げには欠け、無理矢理な印象もちょくちょく受ける。
    スタート地点はよいものの、着地点はイマイチ、という感が否めなかった。

    • 6
  9. 評価:5.000 5.0

    みんなみんな可愛い

    ネタバレ レビューを表示する

    魔王に囚われた姫様が、秘密を吐かせるための様々な「拷_問」を受ける、というギャグ漫画。
    その「拷_問」がまあ実に緩くて、基本的には目の前で美味しそうな食べ物を見せられる、というものである。

    トーストとかたこ焼きとかカップラーメンとか、何でもないものがとても美味しそうに見える漫画である。
    ただ、読み始めたときは、このパターンの繰り返しだと早々に飽きが来そうだな、と思った。
    が、とんでもない、様々な工夫を凝らして、実に巧みにマンネリ化を回避している。
    食べ物以外の「拷_問」があったり、いわゆる「日常回」があったり(囚われの身なのに…)。
    基本線はワンパターンには違いないのだが、まるで飽きさせない。
    その点がまず、見事であった。

    ギャグ漫画としては、しょうもない設定がいちいち楽しくて癖になる。
    特に、子煩悩でモラルの高い「理想の上司」である魔王様の造形が素晴らしい。
    部下のミスを叱責するのではなく、どうフォローするかを考える。
    相手が敵であろうとも、人の善意を利用しない。
    娘の描いた絵を見て「くっくっく…上手」と言う。
    私は魔王様が大好きで、毎回毎回、「今回は魔王様出るかな」と楽しみでしょうがなかった。

    登場するキャラクターたちがみんな魅力的で、とにかく可愛い。
    姫様も魔王様も魔王様の娘も拷_問担当の「敵キャラ」たちも、あろうことか「聖剣」に至るまで、みんなみんな可愛い。

    絶対に誰も傷つかない甘くて優しいギャグ漫画であり、「かーわーいーいー」と私は知能指数の低いティーンエイジャーのような頭脳になって、この漫画を読み続けた。
    あー楽しかった。

    • 12
  10. 評価:3.000 3.0

    そのテーマは届かない

    ネタバレ レビューを表示する

    人間でない生き物が人間を殺めることに、私たちはどう向き合えばいいのか。
    例えば、ヒグマが人を殺してしまう、というような問題は現代でもあるわけで、自然保護とか動物愛護とかいう側面の問題と、人間にとっての脅威という問題のバランスやその歪さ、処分するしかないだろうという正論と、そもそものきっかけを作った人間側にそんな権利があるのかという極論と、自然保護なんて人間ありきの偽善でいいのかもしれないし、とか、そもそも人間だって自然の一部なんだし、とか、まあ色々と難しくて、私なんかにはよくわからない。

    ただ、いずれにせよ、「罪」という観念自体が人間の創出した架空の産物であって、人間以外が人間に対して何をしようが、実のところ、我々はその「罪」を誰にも、というか何にも問えないのだ。

    というようなことが、この漫画のテーマとして、あったのかな、というか、うーん、あったのかもしれないな、とは思った。
    というのも、そのテーマ性みたいなものが、あまりに作品の前面に出てこない。
    正直、これは難しいところで、あまりにそれを目立って語りすぎると、説教臭い、という空気を生んでしまうのだが、それにしたって薄すぎやしないか、という思いは終止つきまとった。
    先に私が書いた諸々も、「深読みしすぎだろ」と言われたら、「まあそうかもね」と思ってしまう。
    私自身、自分の妄念かもしれないと疑ってしまっている有様である。
    それじゃ、仮にテーマがあるにせよ、読者には届かないだろうよ。

    上記のテーマは、「寄生獣」でも扱われているのだが、一種のメッセージ性と、語りすぎないドライな側面と、「寄生獣」はやはり絶妙だったな、と思った次第である。

    あと、タイトルの話だが、別に「蠱毒」じゃなくね?というのは、どうにも気になった。

    • 5
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