3.0
結婚なんてララーラーララララーラー
簡単に言うと、結婚を促進するための国の政策として、公務員が業務として「結婚」の相手をやる、という話。
例えば、あなたが結婚する気になれない男性だったとして、役所に申請すると、国があなたのところに「妻役」の女性を派遣する。
その人との一年間(一年間ですよ!)の生活を通じて、あなたが「結婚っていいなあ、よし、俺も結婚しよう」と思えれば、ミッション成功、ということで。
もう、どこから突っ込んでいいのか、書いていて何か嫌になってきたが、いくら何でも設定に無理があるだろ。
国の狙いが浅はかすぎるのは当然として、特に致命的なのは一件の依頼につき一年間、という期限である。
公務員の人生を何だと思っているんだ。
いくら公僕と言ったって酷である。
これは完全に設定ミスで、せめてこれが三か月とかだったなら、少しは印象も変わったかと思う。
ただまあ、結婚に絶望しているような漫画が世に溢れる中で、結婚というもののポジティブな面を描こうとした、その心意気や、よし。
ただ、この漫画で描かれる「結婚の素晴らしさ」というのは、あまりに浅薄である。
結婚なんて、それ自体は別に、素晴らしいものでも何でもない。
結婚は、ただの社会制度、システムだ。
システムが本当の意味で人を幸せにしてくれるわけがない。
そして、比喩的に言えば、結婚なんて、ギャンブルだ。
ギャンブルだから、勝つこともあれば、負けることもある。
賭けるのは金だけではなく、人生というチップである。
「結婚しない方が幸せだった」という人だって当然いる。
それでも、「結婚してよかった」と思えたとしたら、結局のところ、運を含めてあなたのおかげであり、あなたが勝ったからだ。
別に「結婚」があなたを幸せにしてくれたわけじゃない。
結婚に夢があるのではなく、ずっと一緒に生きてゆくことが夢になるような誰かがいてくれることが、素晴らしいのではなかろうか。
私は、そう思うけどね。
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限定偽婚~1年間の夫婦~