2.0
そんなに甘くない
誤解を恐れずに言えば、私は人間の狂気や異常性といったものに非常に強く惹かれる。
それは私がヤバイ人間だからではなく、本質的には普通の人間だからだと思う。
まあ、それはいい。
それはいいとして、適切な言い方かわからないが、狂気や異常性に対して、ある種のリスペクトみたいなものが感じられない作品、「何かヤバくね?」という適当な作り物の異常っぽさを放り投げたような作品というのが、私は嫌いだ。
それは結局のところ、人間そのものへの視線が真摯さを欠いているということだと思うし、本作はその典型だと思う。
小説や映画や漫画は、どんな人間だって描くことが出来る。
それ自体は、素晴らしいことだ。
だからこそ、書く側が「何でもありだ」と雑に臨むことが、私は嫌いだ。
正常も異常も、きちんとそれを描くことは、そんなに甘くない。
-
6
先生は神様です