すべては子どものためだと思ってた
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あらすじ
【あらすじ】専業主婦の土井くるみは長男・こうたに特別じゃなくても普通の幸せをつかんでほしいと考えていた。しかし、こうたは体が弱く、自己主張もあまりしないことから小学校のヒエラルキーが下であることを知ってしまう。また、こうたが進学予定の地元の中学校は生徒の素行のせいで評判が悪いということを知ったくるみは、親が行動しないと子どもに普通の幸せを与えられないという思いからこうたの中学受験を決意する。受験勉強を頑張るこうたのために様々な情報を仕入れて実践していくくるみ。だが、くるみの思いはこうたを、家族を次第に追い詰めていくのだった――。果たして「子どものため」の正解とは? 毒親問題に切り込む挑戦的セミフィクション。【解説】田房永子(漫画家・コラムニスト) 「モンスター母に抵抗できる唯一の武器」【「シリーズ 立ち行かないわたしたち」について】「シリーズ 立ち行かないわたしたち」は、KADOKAWAコミックエッセイ編集部による、コミックエッセイとセミフィクションのシリーズです。本シリーズでは、思いもよらない出来事を経験したり、困難に直面したりと、ままならない日々を生きる人物の姿を、他人事ではなく「わたしたちの物語」として想像できるような作品を刊行します。見知らぬ誰かの日常であると同時に、いつか自分にも起こるかもしれない日常の物語を、ぜひお楽しみください。
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みんなのレビュー
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謝れないの?この女
すごくいい漫画だと思います。
母親の、毒親の問題点を余すところ無く表現できている。
うわー毒親だなぁ、とものすごく思ったのは、途中で母親が改心して受験やめようかと言い出すシーン。
過ちに気づいて反省したって言うけど、全然悪びれてないんですよね。
明るく、もうやめよっか!なんて調子で。
こうちゃんの失われた時間は戻ってこないし、嫌々ながらも全てをかけて挑んで来たのに、そんな軽い感じで簡単にやめようとか言い出すその神経。
あんたが頑張れないから仕方ないとか、嫌みったらしく言って…。
やめるなら、泣きながら土下座すべきでしょ。なんでちゃんと謝れないの??
つくづく子どもをバカにしてるんだなと思った。
それが分かるから、こうちゃんに伝わらない。
最初は体の弱い子どもを心配していただけかも知れないけど、段々とダメな子だからっていう見下した気持ちに変化したのだと思う。
自分が間違ってた、って気づいたくせに事の重大さにはまったく気づいていない。
永遠に分かり合えないendで可哀想だけど、それがすごくリアルでした。
こういう親は、理解し合えなくても仕方ない。分かり合うことだけがハッピーエンドじゃないと思った。by みそ#- 37
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4.0
今まで読んだ毒母マンガの中で、一番自分と状況が似ていてハッとさせられました。
専業主婦。第一子の息子は小さめに生まれ、体が丈夫ではなく自己主張も弱め。しっかり者の妹がいるところも同じ。
小さく産んでしまったことに対する罪悪感が消えないのも
この人を見習って子育てすれば間違いない、と思える存在がほしいのも
子供の頃、自分がしてほしかったことをしてあげたいと思うのも
子供が友達から下に見られていると感じて地味にショックを受けるのも
すごくよく分かります。
子供には普通に幸せになってほしいという思いが、いつしか◯◯学園に合格することが目標(母の)になってしまったのが悲劇だったのかな。
こうちゃんが友達に見下されてショックだったのに、中学受験に失敗したこうちゃんをどこか見下し、イラついている。
だから熱があるのに内申点のために学校に行かせたりする。幼少期は体の弱いこうちゃんをあんなに心配していたのに‥
改めて思うのは毒親にも色々なタイプがいるけれど、共通しているのは皆自分本位だということ。
子供のためと言いつつ自分の罪悪感や不安を消すためだったり、自分の欲求を満たすためだったり。
子育ては本当に難しいけれど、この思いや行動は実は自分本位なのでは?と立ち止まってみよう、そう思わせてくれるマンガでした。by ヘンリー&アバラー- 22
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5.0
かわいそうな人
このお母さんは、息子の人生を通して自分をやり直そうとしてるんだと感じた。
自分の体が弱かったのも弟たちに比べられたのも、全て親が丈夫に産んでくれなくて、親が環境を整えてくれなかったせいだ、と。
だから、自分と似た境遇で生まれたこうちゃんには、親の自分が与えないとうまくいかなかった時親である自分のせいになってしまうし、与えさえすればなんでもできると思ってしまった。
結局、もう1人の娘は母親が小さい頃辛かった思いを同じように味わってしまっている。
結局、この母親は毒親の元から自立しても心が自立できていないせいで、毒親になってしまった。
断ち切れなかった。by 羽付きみかん- 5
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4.0
結果なんてわからない
誰しも同じようになる可能性はありますよね。
子供を1人の人間として対等に尊重できたら良いけど、なかなかそれって難しい。このマンガでいくと、せめて夫とはしっかりと教育方針や子供への関わり方をすり合わせ、価値観合わなくても反対されても、対子供にはまずはそこを理解をしてもらえてから色々やるのが基本かなとおもった。グローバル人材とか言ってるママが、最も多様性も他人の違う価値観へ歩み寄る努力も理解する心もなくて笑う。
あと個人的に思ったのが、お母さんが仕事(他に向き合う先)してないのは大きいかも。正直言ってフルタイムで仕事してら自分から見ると、気持ちはわかるがそこまで子供にのめり込むような時間の掛け方、気持ちの入れ方する余裕がない。仕事してなかったらもうちょっと出来ることあるかな、、と逆に思い落ち込むこともあるけど、自分も仕事やってなかったらマンガのお母さんみたいに、視野狭く傾倒していくかもしれない。
とはいえ、結果なんてわからない。こうちゃんみたいに育てられた私の夫。こと受験に関する話題出たら、いまだに自分の親をボロクソにいうし、基本的に、受験をさせられたことで親子関係が破壊したと40近い今も言ってる。でも、私からみると、そうやって頑張ったことは全然無駄じゃなくて、むしろその辛さ頑張りがあったから、今の夫が出来上がってるんじゃないかと思うと、感謝すれば?と言いたくなることもあるのは事実。
だから子育ても人生も面白いし怖い。by さっちょんぱ- 4
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4.0
悪意がない故に
読んでいて、どうにもならない苛立ちともどかしさに頭が痛くなった。
そういう感情を喚起させるための作品だと思うから、成功している、と言ってよいと思う。
いわゆる「毒親」問題を扱った作品だが、子どもに害悪を及ぼす親にも、色々ある(だから、「毒親」と一括りにカテゴリ化するのが私はあまり好きではない)。
例えば、大きな方向性だけ見たって、明確な悪意を持って子どもを傷つけようとする親と、「子どものためを思って」結果的に悪をなす親、両者を同一に「毒親」問題として語ることは、問題の本質を見誤らせる気がする。
本作で描かれているのは後者の方、「子どものためを思って」という親だが、考え方によっては、こっちの方がタチが悪いとも言える。
過剰な暴力とか食事を与えないとか、そういった事象であれば法でもって抑止することは一応、出来る(それが難しいことは重々承知しているが)。
しかし、「子どものためを思って」型の親が精神的に子どもを追いつめる行為に関しては、外部から抑制する術が多分、皆無に近い。
しかも、
「この子のためなのよ」
「私が一番この子のことをわかってるのよ」
「私が何とかしてあげなくちゃ」
という強固な思い込みに裏づけられているぶん、周りからの声は極めて届きにくい。
「悪いことをしてやろう」として悪をなす人間ばかりではない。
残念ながら、善をなさんとして悪をなすのが人間だし、そのような人間の営みは、しばしば甚大な悲劇を引き起こす。
ヒトラーだって自分では善のつもりだったんだろうし。
難しい。
解決法があるのか、私にはまるでわからない。
ただ、子を持つ立場の人間は、読む意味のある漫画だと思った。
それだけでもう、この種の作品の価値としては、十分かもしれない。by roka- 3
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5.0