rokaさんの投稿一覧

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251 - 260件目/全509件
  1. 評価:1.000 1.0

    お前は、負けたのだ

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    まず、復讐、というほどの復讐は、できていないです。
    むしろ、復讐は失敗した、という方が適切かと思われる。
    まあ、タイトルも「復讐することにした」であって「復讐した」ではないから、偽りとは言わないけど…普通、復讐したんだ、と思うだろうよ。
    実体験に基づく、だからなのかもしれないが、スカッとするような復讐劇を期待すると肩透かしを喰らうので、ご注意を。

    妻の不倫の現場に踏み込んだはいいが、相手の男に金がないから慰謝料は取れない、離婚しても親権は妻に取られる。
    まあ、現実はこんなもんだろうな。
    特に解せないのはラストで、子ども二人をろくでもない妻に取られつつ、「あの子たちなら大丈夫」って…何の根拠があるのか知らないが、無理に自分を納得させるような綺麗事には閉口した。
    大丈夫じゃねえよ。

    夫婦の別れに、勝ちも負けもないかもしれない。
    でも、主人公である夫に対して、私は思った。
    お前は、負けたのだ、と。
    妻に、というわけではない。
    強いて言うなら、二人とも負けたのだ、ということになるのかもしれない。
    しかし、いずれにせよ、お前は、負けたのだ。
    それを認めないでいるのは、何か、潔くないと思う。

    その妻を選んだという選択も含めて、自分が失敗したのだ、と認めないことには、本当に終わることも、始まることも、難しい気がするのだが。

    いずれにしても、わざわざ漫画という作品で読む価値を、私は全く感じなかった。
    これなら、ネットの掲示板に転がっている妻や夫の不倫の顛末の方が、不謹慎だが、よほど面白いものが多い。

    • 29
  2. 評価:4.000 4.0

    設定を殺して

    新鮮なのは、「元極道のコンビニ店員」という設定そのものではなく、むしろその設定の「殺し方」みたいなところにあるのではないかと思った。
    本作は、いい意味で、とても慎重に設定を殺している。
    もう少し誤解を避けて言えば、設定から想起されるありがちな展開を、実に巧妙に回避している。

    私が何となく予想していたのは、次のようなストーリーだった。
    元極道のコンビニ店員である島さんは、普段はおとなしく仕事をしている。
    そこに何らかのトラブルが起きる。
    例えば、悪質なクレーマーが来るとか。
    そこに温厚そうな島さんが出ていって、クレーマーは「何だてめえは?」とかすごむけど、何かの拍子に刺青が見えてしまうとか、島さんが尋常でない殺気を放つとかして、クレーマーは「すみませんでしたー!」となる。
    みたいな。
    そういう漫画かと思っていた。

    違う。

    島さんは、元極道的なパワーを全く使わずに、あくまで温厚なままであって、その実直さや誠実さ、気配りや思いやり、洞察力、といったありふれた(?)人間的スキルでもって、コンビニの日常の諸問題を解決に導いてゆく。
    それを、一種の人情話として描いた漫画である。
    「ありがちな展開には絶対にしないぜ」という作者の気概が伝わるようで、その心意気や、よし。

    ただ、こう書くと、「あれ?元極道って設定、要らなくね?」と思われるかもしれないが、そうでもない。
    作中に流れるのは、すねに傷を持つ者が放つ独特の説得力と、「この設定がこの先で活きてくるんだろうな」という期待感だからだ。
    そういう意味では、かなり緻密に組み立てられた漫画だと思うし、それはこの先の話で、実証されるのではないかと思う。

    あとは、枝葉の部分になるが、作中、背中の刺青のワンカットで、島さんが元極道なのだ、ということをさりげなく提示するところなんかは、何ともセンスがあって、好感を持った。

    • 1,193
  3. 評価:4.000 4.0

    そこに愛はあるか

    雑な言い方で申し訳ないが、「こういう系」の漫画はだいたい嫌いだ。

    誤解を恐れずに言えば、最近よくある、妻が夫を「エッセイ漫画」という体裁の中で非難するやり方は、本当に汚いと思う(もちろん、「夫が妻を」でも同じだが、そういう漫画は読んだことがない)。
    はっきり言って、生き方として腐っているとさえ思う。
    私がそういう漫画に対して感じる思いというのは、芸能人と寝た後でスキャンダルを週刊誌に売ったりする人間に対して覚える嫌悪感に似ている。

    そこには何の愛もない。
    もちろん、永遠の愛というのはスーパーレアだから、大抵の愛は消えることもある。
    まあ、それはいい。
    それはいいのだが、愛が消えたからといって(あるいは、はじめから愛なんかなかったからといって)、もう好きじゃないから何でもありだよね、というやり方は、あまりに品性を欠いている、と思うわけだ。

    しかし、この漫画は、違った。

    そこに、ちゃんと愛があった。

    夫婦も、親子も、人間だから、生きていれば、色々あるのだ。
    誰の人生だって結構ハードモードで、愛があろうが金があろうが、上手くいくとは限らないのだ。

    だが、愛があれば、出発点になり得る。
    それもおそらく、他の全てに比べて、かなりマシな出発点に。

    私はそう思うから、この漫画の提示した現実的な夫婦の顛末が、なかなか好きであった。

    • 8
  4. 評価:3.000 3.0

    今となっては

    子どもの頃は、夢中でアニメを観ていた。
    ウォーズマンが一番好きで、でも子どもだから、ストーリーに流されて、やっぱり心のどこかでは主人公を応援しちゃうじゃんか。
    だから、キン肉マンvsウォーズマンとか、もうどういう気持ちでいたらいいかわからなくて、マジでハラハラドキドキできた。

    が、原作の方は未読で、この度、初めて読んだ。
    正直なところ、読まなくてもよかったし、読まない方がよかったかもしれない、とすら思った。
    残念だ。

    いくら子ども向けとはいえ、さすがにバトル漫画としては破綻しすぎている。
    こういう比較はフェアでないかもしれないが、例えば、ついこの前読み返した「幽遊白書」のバトルシーンと比べると、雲泥の差である。
    「子どもの頃だけ面白かった」漫画と、「今でも面白い」漫画の差異が、果たして「レベルの差」なのか、それとも「種類の違い」なのか、私にはイマイチ判断できない。
    ただ、いずれにせよ「キン肉マン」は、私にとっては、今となっては「残念な漫画」という以上の何物でもなかった。

    まあ、このあたりは、時代、という問題もあるのだろう。
    かつて少年漫画は、今よりもずっとずっと、「少年」だけのものだったわけだから。

    ただまあ、これだけたくさんの魅力的なキャラクターを生み出したことは、確かにすごいと思う。
    思うけど、思い出の補正をもってしても、これ以上の評価は出来ない。

    • 2
  5. 評価:2.000 2.0

    中立のようで、違う

    死_刑囚との面会を基にして描かれた漫画。

    メディアで報道される凶悪犯たちのイメージと、実際に会って話してみた彼らの実像のズレ、みたいなものが、テーマのひとつになっていると思う。
    ある部分、報道によって勝手に犯罪者のイメージを作り上げてしまうマスコミや、それを鵜呑みにする社会に対する警鐘にもなっていて(正解にはなろうとしていて)、自分の目で確かめるまでは、中立であろう、という意志は、評価されるべきかもしれない。

    しかし、実際、この漫画が中立であるかと言えば、違う。

    淡々としたタッチだが、このスタンスの作品ならば、もっと淡々とすべきだと私は思う。
    もっと冷徹に事実を見つめようとすべきだと思う。
    少なくとも、「出会った死_刑囚の中に悪人はいなかった」という作者の弁には、私は拭えない違和感を持った。
    何をもって悪とするか、という難しい話は抜きにしても、それはかなりの部分、作者の「印象」と、「本当の悪人などいないのだ」というような信条に裏打ちされたものではないか、と疑ったからだ。

    確かに、彼らは別に、人間の域を逸脱したモンスターではないのだろう。
    マスコミの報道が煽るのより、ずっと「普通の」人間なのだろう。
    しかし、その「普通の」人間が、どこでどう一線を越えるのか。
    それを、感情も印象も抜きにして、正確さと緻密さだけをもって語るのが、こういう作品の役目ではなかろうか。

    私はそう思うから、この作品も、おそらく作者が嫌悪するであろう上滑りのマスコミとそう変わらない、たちの悪いプロパガンダ程度にしか感じられなかった。

    • 5
  6. 評価:3.000 3.0

    出発点と着地点

    「童貞あるある」みたいなネタを軸にした下らないトーンのギャグ漫画なのだが、作品の出発点としては、結構、志の高い漫画だったんじゃないかと思う。
    それは例えば、時代性をとらえたブラックユーモアとか、固定観念に対するアンチテーゼとか、社会の風潮に対して一石を投じるとか、そういうことだ。

    ただ、志を持って飛んではみたものの、作品としての着地点を上手く見つけられなかったような気がする。
    全く別のジャンルだが、「多重人格探偵サイコ」という漫画が陥った事態に似ていると思った。
    その志や、よし。
    だが、行く先は、と。

    別の道もあり得たと思うのだが、どうにも平凡なラブコメに帰着してしまった印象が拭えず、残念であった。

    • 2
  7. 評価:3.000 3.0

    作品と背景と

    鬼に魂を売って生き延びることを選んだ少年の物語。
    「幽★遊★白書」+「寄生獣」、というと、まあまあわかりやすいかと思う。

    決して退屈したわけではないが、登場人物の感情表現はいささか紋切り型で、特にモノローグについては、稚拙、という印象が拭えなかった。

    巻末の文章で、作者の親友が集団暴行によって命を落としたことが、本作の着想のきっかけになったことを知った。
    作者がこの作品にどんな思いを込めたのかも知った。
    だが、この点に関しては、私は作品の評価からは完全に除外した。

    作品とその背景というのは難しい問題だが、その背景でもって作品に対する評価を極端に変えることを、私は自分に許可していない。
    例えば、ミュージシャンがクスリをやっていることが判明してその曲を聴かなくなるとか、そういうのが私は嫌いだ。
    作品は、作品だ。
    どんな聖人君子が崇高な決意のもとに描いた漫画だろうが、どんなクズ野郎が適当に描いた漫画だろうが、作品は作品として純粋に評価すべきだ、というのが私の考え方である。

    この漫画が生まれたバックグラウンドには、なるほど、悲劇的なドラマや悲壮な決意があったのかもしれない。
    しかし、突き詰めればそれは、どんな作品にだって、あり得る。
    私たちがそれを知らないだけで。
    例えば、とことん下らないギャグ漫画を描いている作者の秘めた決意など、私たちが知る機会は基本的にない。

    作者が作品の背景を語ることを、否定はしない。
    仮に私がこの作者と同じ立場だったなら、やはり、書いたのではないかとも思う。
    しかし、思うのだ。
    本当に語りたいことは、作品の中で語るのが、作者の本分ではなかろうか。
    その意味で、この漫画がそれほど雄弁なものになり得ているとは、私には思えなかった。

    • 28
  8. 評価:3.000 3.0

    読み物として

    都市伝説や心霊現象などの怪異を、編集部が調査する、という設定の漫画。

    レポート形式で、実際の怪異の題材となった(真偽はともかく)写真が作中に添付されていたりする。
    漫画として面白かったかと言われれば、正直、そうではないのだが、読み物の表現の形としては、アリかな、とは思った。

    まあ、眉唾ものの話が多く、胡散臭いことこの上ないけれど。

    • 2
  9. 評価:5.000 5.0

    ざわつく心の空の色

    説明不能の「心がざわつく」思春期コミック、というのが売り文句だが、このコピーは完璧だと思う。

    漫画の表現として、圧倒的に斬新だ。
    この唯一無二ぶりは、突出している。
    本作と似ている漫画を読んだことがない。
    というか、きっと、無理なのだ。
    例えば、「ドラゴンボール」や「スラムダンク」や「ジョジョの奇妙な冒険」を真似することは出来ても(そのクオリティーは別にして)、この漫画を真似することは、多分、出来ない。
    それほどまでに、突き抜けたオリジナリティーである。

    そして本作は、おそらく私が読んだ全ての漫画の中で、最も説明が困難な作品でもある。
    「どんな漫画なのか」と問われても、私は、答えられない。
    また、「読んでどんな気持ちになったか」と問われても、答えられない。

    悲しみとも、苛立ちとも、怒りとも、切なさとも、歯がゆさとも、違う気がする。
    それでいて、その全てがあるような気もする。
    敢えて言うなら、まさに「心がざわつく」ということになるかと思う。

    もしかしたらそのざわつきは、決して言葉に出来ない想いに囚われながら我々が過ごした、思春期という時代そのものの影なのかもしれない。
    私たちがこの作品の中に見るのは、かつて自らが抱いていた、名前も行き場もない、若い想いの欠片なのかもしれない。
    そういう意味では、これほど克明に「あの時代」を描いた漫画というのは、他にないのではないかと思う。

    そういえば、「あの頃」に私たちが眺めていた心の空は、白にも黒にも染まらないまま、何となく、灰色だったような気がする。

    • 7
  10. 評価:3.000 3.0

    松原タニシの生き方

    私は、松原タニシという芸人が全く好きではないし、申し訳ないが、面白いと思ったこともない。
    怪談の語り手としても、例えば同じ芸人の中山功太なんかと比べると、というか、比べる気にもならない。

    しかし、「事故物件住みます芸人」というポジションは、すごいと思う。
    そんなこと、なかなか出来るものではない。
    繰り返し、こういう言い方は申し訳ないけれど、自分が芸人として、大して面白くもなく、売りもないことを自覚して、それでも、「売れない芸人」から何とか抜け出すための必死の試みとして今のポジションを築いたのかと思うと、ちょっと胸が熱くなる。

    だから私は、松原タニシが語る怪談が本当だろうが嘘だろうが、どうでもいい。
    事故物件に住み続けている時点で、どんなほら話だって吹いていいくらいの権利はあると思うのだ。

    ただまあ、これが漫画として面白いかとなると、それはまた、別の話である。

    • 4

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