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作品レビュー
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251 - 260件目/全498件

  1. 評価:4.000 4.0

    懐かしさと物足りなさ

    オリジナルの十年後、という設定。

    郷子が童守小学校の教師になっていたり、広がセリエAの看板選手になっていたり、あの「A」の再来もあったりと、オリジナルを読んでいた世代には、懐かしい。
    その中で、ぬ~べ~だけは何ひとつ変わっていない、というのも、またいい。

    ただ、ちょっと物足りなさを感じたのも事実だ。

    ひとつは、私が「いずな」を読んだせいである。
    あちらは青年誌なので、「大人向け」の恐怖がなかなか大胆に描かれており、ぬ~べ~とは違ってすっかり歳をとった私としては、「いずな」の後でこの少年向けのホラーに戻るのは、ちょっとしんどかった。

    もうひとつは、設定の懐かしさの割には、あまりノスタルジックな手触りがなかったことだ。
    まあ、これは私のないものねだりもいいところで、あくまで少年誌の連載である以上、オリジナルを知らない読者をターゲットにするわけだから、ノスタルジーなんて場違いなものになる。
    それはよくわかっているが、うーん、もう一歩かなあ。

    • 3
  2. 評価:3.000 3.0

    シリアルキラーの都合

    社会的に裁かれない悪人に、残忍な方法で私刑を加えるサイコ警察官を主人公にしたサスペンス。

    グロテスクな表現が多いが、作画は綺麗で、安定感がある。

    ただ、悪人を始末するサイコキラーという設定は、どうにも都合がよすぎる気がして、イマイチ入り込めなかった。

    あとは、スピンオフと知らずに、元の作品を読む前に読んでしまったので、主人公のキャラクターが余計にわかりにくかったことはあるかもしれない。

    • 7
  3. 評価:3.000 3.0

    都市伝説の賞味期限

    漫画を単独で見れば、なかなかスリリングなサスペンスだとは思った。
    しかし、どうにも乗り切れなかったのは、やはり、本作が実際の都市伝説「This Man」をモチーフにしている、ということに尽きる。

    もともとの都市伝説「This Man」は、ざっくり言うと、ニューヨークの精神科医のところに「知らない男が何度も夢に出る」ということを相談した患者がいて、その人相を絵に描いたのだが、精神科医が同業者などから情報を得て調査すると、何と世界中にその男を夢に見ている人がいた、という話だ。
    それだけの話だ。
    この「それだけ」というのが、「This Man」という都市伝説の肝だったんじゃないかと思う。
    見ず知らずのはずの同じ男を世界中の人が夢に見ている、「それだけ」だからこそ、微妙に可能性がありそうというか、まさしく「信じるか信じないかはあなた次第」的なポジションとなって、都市伝説たり得たのだと思う。

    それが、この漫画のように「見た者に死を」とかなってくると、いやいや、そんなもんあるかいな、という話になってきてしまう。
    つまりこの漫画は、実際の都市伝説を題材にしながら、そこから話を広げたことによって、都市伝説が本来持っていた魅力を台無しにしてしまった、というふうにしか、私には思えなかった。

    おまけに、都市伝説「This Man」は、実はイタリアのマーケティングの専門家による一種のゲリラ・マーケティングだった、という「種明かし」がされており、正直、ネタとしても賞味期限切れである、という感は否めない。

    • 3
  4. 評価:4.000 4.0

    青年か、少年か

    悪霊に憑かれた人間を葬る「はぶり」という家業を受け継いだ少年の物語。

    一応、青年漫画というくくりだが、私は、いたって普通の少年漫画として本作を読んだ。
    いい意味で、だ。

    序盤から九歳の少年が家族を殺_すとか、毎回首を斬り落とすとか、過激な描写と悲劇的な設定によって少年漫画の枠から外れているのだろうが、主人公の少年が苦難に立ち向かい、逆境や自分の弱さを乗り越えることで成長してゆく、という展開や主題は完全に少年漫画のそれである。
    青年漫画の皮をかぶった少年漫画、と言えるかもしれない。

    何かもうひとつ欲しい、という気もしたが、少年時代に少年漫画を読んでいたような気持ちで、テンポよく、それなりにワクワクできた。
    特に、不満はない。

    • 4
  5. 評価:3.000 3.0

    雰囲気と違和感

    同じ作者の「蔵のある家」という漫画を読んだときは、「情緒がある」という感想を持った。
    特別にひねりがあるわけではないが、独特の雰囲気があって、しみじみとした味わいがあった。

    ただ、本作については、いささか首をひねった。
    この作者独特の空気感みたいなものが、十九世紀末イギリスのブルジョワ家庭、という舞台設定に、イマイチ合致していないような気がしたのだ。
    そういう意味では、ちょっともったいない、という印象を抱いた。

    • 2
  6. 評価:2.000 2.0

    図鑑のほうが遥かに楽しい

    深海水族館なる施設で働く清掃員が主人公の生き物漫画。

    私自身、生き物は好きで、深海の生物とて例外ではないのだが、あまり楽しめなかった。

    まず、私は深海生物に特別詳しくもないが、この漫画で紹介されている知識は、知っていることばかりだった。
    つまり、作品の含蓄レベルが浅い。

    また、現実の生物を扱っていながら、明らかな「嘘」があるのも考えもので、例えば、ダイオウグソクムシを餌の匂いで釣ってタイミングよく「飛ばす」なんて芸当はまず不可能だ。
    何年も絶食するような生物だっつーの。
    こういうエセ科学みたいなものが私は嫌いで、それならまだ、超能力で深海生物を操る、という設定のほうがマシである。

    決定的なのは、生き物に対する愛着の深さを、作品からあまり感じられなかった点だ。
    別のアプリの漫画との比較で恐縮だが、例えば「秘密のレプタイルズ」という漫画からは、爬虫類に対する偏執に近いほどの愛情を感じた。

    新鮮な情報もない、正確な知識もない、生物への愛情もない、それなら、図鑑を眺めているほうがよほど楽しい。
    だいたい、本物の図鑑には、情報と知識と愛情が詰まっているかんな。

    • 4
  7. 評価:3.000 3.0

    前世という名の超能力

    異能、というか、ほぼ超能力系バトル漫画。

    新しいのは、能力が「前世」に依拠している、というところか。
    要するに、過去に実在した人間の才能を受け継いでいる、ということ。
    宮本武蔵が前世なら、剣術の才能がすげえ、とかそういうことである。

    設定自体はなかなか面白いのだが、いかんせん「才能」の内容がぶっ飛びすぎていて、序盤からちょっと冷めてしまった。

    宮本武蔵ならまだいいが、アルバート・フィッシュの才能を受け継ぐと食人によって超人的な肉体にパワーアップするとか、それはもう前世だとか才能だとかいうレベルの話ではない。
    単に実在の人物のイメージから飛躍した超能力に過ぎず、何だかなあ、と思ってしまった。

    まあ、「バトル向き」の才能に限定してしまうと、人選に難が出てしまうのだろうが、肝心のバトル自体にも、イマイチ魅力を感じなかった。

    • 3
  8. 評価:5.000 5.0

    これ以上は、何も

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    前近代的な村に赴任してきた主人公の駐在が、村の人間が人を喰っているのではないかという疑惑を追うサスペンス。

    カニバリズムの異様性が醸し出す不穏な緊張感と、「八つ墓村」的な村の閉鎖性が煽る緊迫感、このダブルパンチがなかなかスリリングで、一気に読ませる。

    絵も、作品との相性はばっちりで、ちょっと劇画の香りを漂わせつつ、抜群の迫力がある。
    特に、登場人物の表情の雄弁さは素晴らしい。
    泥臭く、破壊力があって、しかも、繊細だ。

    主人公の娘が口をきけない理由、布を被った謎の大男(横溝正史の「犬神家の一族」へのオマージュかもしれない)、「後藤家には関わるな」という村の掟の秘密など、ストーリーの随所に魅力的なアイテムが散りばめられており、文字どおり、一部の隙もない。

    また、サスペンスでありながらなかなかドラマチックでもあり、特に、妻と娘を先に村から逃がして自分は村に残ろうとする主人公の決意のシーンは素晴らしい。
    こういうのって、普通だと「いや、逃げたらええですがな」という突っ込みどこなのだが、そういう「お約束」的な文脈を超越した、作品としての気高さに、私は泣いた。

    ストーリーの面で、何と言ってもポイントが高かったのは、あくまで皆「人間」という枠内で作品を編み上げた点だ。
    こういうタイプの作品は、往々にしてゾンビやらのモンスターが怪異の正体になる傾向にあり(別にそれを全否定するつもりもないのだけれど)、正直、途中までは「どうせ村人がゾンビ化しますんやろ?」と思いながら読んでいたのだが、いい意味で、完全に読み誤っていた。
    人を喰う村がある、というだけの設定から、よくぞここまで築き上げたと、手放しで称賛せずにはいられない。

    そして、村人たちの造形も、単なる異常者、ではない。
    時代に取り残された村という小さな世界の中で、また、因習と血脈というある種の呪いの中で、それぞれの村人が死に物狂いで何かを守ろうとしながら生きる姿もまた、私の胸を打った。
    主人公、その家族、村人たち、捜査関係者、その全ての姿を、思いを、真摯に描こうとする、作者の立ち位置が美しい。

    完璧だ。
    私は、サスペンス漫画に、これ以上は何も望めない。

    • 298
  9. 評価:4.000 4.0

    何て嫌なことを考えるんだ

    大切な人と死別した人間の前に、悪魔だか天使だかわからない少女が現れ、「24時間以内に人を3人殺せば、あなたの大切な人を生き返らせる」という契約を持ちかける、というストーリー。
    連作短編タイプの漫画である。

    「走馬灯株式会社」の作者が原作で、作画は別の人。
    この作画にちょっと癖があり、好みは別れるところかと思う。
    ただ、作品の雰囲気には、なかなか合っているのではなかろうか。

    話としては、スティーブン・キングの「ペット・セメタリー」的というか、ある意味で究極の選択、という感じのサスペンス。
    まあ、人間性を疑われるかもしれないが、私なんかは大して究極でもなく、そんなのサックリやっちゃうだろうな、と思う。
    ただ、この漫画の本質的な魅力はその設定ではなく、そこからの展開である。
    設定ネタ一本からすごいところまで広げる、というのは、おそらくこの原作者の得意とするところであって、「走馬灯株式会社」のときにも思ったが、この人は、本当に怖いことというか、嫌なことを考えるなあ、というのが率直な感想である。

    何もネタバレしたくない。
    気になる人は、是非読んでほしい。

    ただまあ、打ち切りっぽい終わり方はちょっと残念。
    もっと色々なエピソードを読みたかった。

    • 3
  10. 評価:4.000 4.0

    好感のもてる丁寧さ

    社内の様々な問題を調査し、適切な人事変更でもって対処する人事部の「社内探偵」を主人公にした作品。

    まず、人事部の活動が作品の中心、という設定が、個人的には新鮮に感じた。
    話の内容としては、職場あるあるというか、会社で働いている読者は特に、この漫画ほど極端にではないにせよ、似たような種類のイライラを抱えている可能性はあり、結構スカッとするのではないかと思う。

    特筆すべきは、その「スカッと」に至るまでの過程の丁寧さではないかな、と思う。
    昨今、「あなたのイライラ、スカッとさせます!」と言わんばかりの漫画が多いような気がするが、いかんせん過程が性急に過ぎて、逆にモヤっとする、というような作品が往々にしてある。
    しかし本作は、とても丁寧に過程を積み上げており、その点には好感を持った。
    そのぶん、テンポというか、進みの遅さは気になる読者がいるかもしれないが。

    • 291
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