4.0
ナウでお洒落な推理ギャグ
真っ当な推理漫画であり、真っ当なギャグ漫画である。
これは、新しい。
例えば「金田一少年」にだってギャグ的な部分はあるが、それはあくまでシリアスなミステリという本筋の緊張緩和の役割を果たしているだけ(ときにはそこに伏線があったりもするが)であって、基本、ギャグとしては寒い。
「コナン君で爆笑した」とかないし、そんなの誰も求めていない。
本作のように、推理とギャグをきちんと両立させた漫画というのは、稀有な例ではなかろうか。
ギャグ漫画としての本作の基本線はシンプルで、典型的なボケとツッコミ、漫画内におけるある種の漫才なのだが、絶妙なリズムとテンポによって支えられており、真似できないセンスを感じさせる。
美麗な作画も相まって、現代的で洒落た推理ギャグに仕上がっていると思う。
星をひとつ引いたのは、話が進んでからの「VS巨悪」みたいな文脈があまり嗜好に合わなかったためだが、そんなのは些事の範疇に過ぎない。
-
4
鴨乃橋ロンの禁断推理