rokaさんの投稿一覧

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評価1 5% 35
131 - 140件目/全506件
  1. 評価:3.000 3.0

    ジョークとしては

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    よくあるデスゲーム系、なんて言うのもはばかられるくらい、全てがテンプレどおりで、笑ってしまった。
    これをマジでやっているなら寒すぎるが、作り手の側も半分(たぶん半分以上)ギャグでやっており、それが逆に好感が持てた。
    このジャンルはあまりに手垢にまみれてしまったし、はっきり言って「真面目に読むとつまらない上に、ジョークとしても笑えない」ような作品が溢れる中、「まあ、ジョークとしては面白い」という本作は、なかなか貴重であった。
    しかしまあ、高評価をつけられるかとなると、そんなことはないのだが。

    • 3
  2. 評価:3.000 3.0

    漫画の中の文学

    うーん、評価が難しい。
    独特の世界観、と言えばそうなのかもしれないが、ちょっと「狙いすぎ」という気もする。

    おそらく作品のひとつの方向性として、「漫画で文学をやる」みたいなことはあるのではないかと思う。
    その志を否定するわけではないし、実際、文学を感じさせる漫画の中に優れた作品もあると思う。
    だが、誤解を恐れずに言えば、漫画は漫画だ。
    それ以上でもそれ以下でもない。
    漫画の中の文学というのは、あくまで読む側が「感じる」ものであって、作り手の側が押しつけるものではない。
    そのあたり、本作の文学の主張はちょっとうるさすぎる気がして、私は入り込むことが難しかった。

    • 2
  3. 評価:4.000 4.0

    設定の巧妙さ

    孔明が現代日本にタイムスリップする、というシチュエーションコメディ。

    設定一発の作品だが、巧みなのは、場違いな孔明、という設定それ自体ではなく、孔明に売れない歌手のプロデュースをさせる、というポジショニングの方だと思う。
    この発想が絶妙である。
    実際、作品として、歴史上の人物が現代に、というのはさして目新しくもないが、その人物に「何をさせるのか」というのはなかなか難しく、その点、本作は成功していると思った。

    プロデュースの戦略も、実際の孔明のエピソードを上手く絡めていて、作者の孔明愛、三國志愛が感じられる。
    私は三國志に明るくないが、詳しい読者は、さらに楽しめるのではないかと思う。

    • 6
  4. 評価:2.000 2.0

    タイトルでアレルギーを起こす

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    ミもフタもないことを言うが、タイトルが嫌だ。
    冗談ではなく、タイトルは大事だ。
    ある意味、その作品を象徴するものだからだ。

    まず、こういう「とりあえずセンセーショナルよね」的なタイトルが私は大嫌いである。
    「私のクラスの生徒が、一晩で24人死にました。」とか(他作品へのとばっちりで申し訳ないが)ね、もうタイトルたけで知性の欠如を感じる。

    次に、「読者に問いかけちゃうわよ」的なタイトルも私は大嫌いである。
    「離婚してもいいですか?」とか(繰り返し、とばっちりで申し訳ないが)ね、お前は誰に聞いてんだ、とイライラする。

    何と本作、その両方を兼ね備えたタイトルである。

    何が「罪ですか?」だ、罪だっつーの、殺_人は罪だっつーの、法治国家ナメんな。
    罪を遂行する覚悟を決めろ、汚れて生きることから目を背けるな、罪を正当化すんな。

    あー、またムカついてきた。
    タイトルがアレルギーを引き起こす。
    もうね、なぜ私がこれを読んだのかがね、謎だよね。

    さて、本編ですけれども、正直、タイトルほどは酷くなかった。
    しかしまあ、これで「殺された」っていうのはいくら何でも無理があるし、被害者は気の毒ではあるけれど、自らの愚かさでもって自分を追い込んだようなところもあり、そこまで同情できなかった。
    そうするとまた、タイトルにムカついてきて、私はただ、絶望するしかなかった。

    • 40
  5. 評価:3.000 3.0

    とってつけた

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    復讐代行業者の話。

    普通の復讐モノは世に溢れているから、何とかアイデンティティーを出そうともがいた感はある(その努力に免じて星をひとつ足した)。

    復讐する側は読者の同情を誘う被害者で、復讐を遂げて終了、ではなく、復讐する側もろくでなしで、結局地獄行き、という展開があったのも、そこまでオリジナリティーがあるかは別として、一捻り加えようとした意向はわかる。

    だが、残念ながら、作品の大部分は空回りである。

    まず、復讐代行業者の目的(業者であるから目的は本来、利益のはずだが)やルールや信条みたいなものが、よくわからない。
    このあたり、シビアにやっておかないとリアリティーもクソもなくなるが、圧倒的に設定が緩い。

    極めつけは、おそらく本作の最大のアイデンティティーであるはずの、「物語が裏返ったわ…」である。
    要するに、復讐のエピソードを、「シンデレラ」とか「かちかち山」とか、童話や昔話に不意になぞらえるのだが、これのとってつけた感が半端ではなく、完全にすべっている。
    努力は認めるが、核のところでここまで失敗していると、高評価は難しい。

    • 3
  6. 評価:3.000 3.0

    死ぬ気で愛して

    主人公二人の罪を容易に肯定できるかは別として、作品のスタート地点では、私は二人に幸せになってほしいと願った。
    私は阿呆なロマンチストであるから、独善的であれ何であれ、愛を応援してしまうフシがある。

    しかし、である。
    読み進めるにつれて、二人を応援する気持ちは薄れていった。
    これは、他作品との比較で申し訳ないが、「私の正しいお兄ちゃん」という傑作を読んだときとは全く逆の感情の動き方だった。
    なぜだろう。

    「私の正しいお兄ちゃん」のレビューの中で、私は、主人公の二人が、嘘も秘密も欺瞞も罪も、全て受け止めて背負って、必死で許し合おうとしながら、互いのことだけは失うまいと、懸命に生きている、という意味のことを書いた。
    それが愛し合うってことなんじゃないか、と書いた。

    本作の二人は、違う。
    ものすごく冷たい言い方をすると、覚悟がない。
    二人が上手くいかないのは、基本的に、互いの過去の傷のせいだ。
    それにまつわる、自らの弱さのせいだ。
    その弱さに対しての向き合い方が、なってない。

    自分の弱さとの向き合い方というのは、二つしかないと思う。
    あくまでそれを克服するために努力をするか、弱さを愛するか、どちらかである。
    どっちにしたって楽じゃない。
    でも、本作の二人には、そのどちらにも必死になっていない。
    ちょっと雑に言えば、自分の弱さに、流されているだけだ。
    たから、受け止めることも背負うことも許し合うことも守ることも、どこか浅薄に感じられてしまう。

    何というか、もっと必死で愛そうとしてほしかった。
    何となくの幸運で続けてゆけるほど、あなたたちが選んだ愛は甘くないよ、と思った。

    • 4
  7. 評価:5.000 5.0

    実を結ばないその花は

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    たまらなく悲しいけれど、心を洗われた。
    そんな読書体験は、なかなかあるものではない。

    まず、序盤から中盤にかけては、事件を巡る登場人物たちの証言と人物像がそれぞれ食い違い(特に被害者の恋人のキャラクターが、被害者の言と主人公の言で全く違う)、このあたり、サスペンスとして非常にスリリングで、抜群に面白かった。
    これは現代版&漫画版、芥川龍之介の「藪の中」だと思って、ワクワクした。
    何しろ芥川の「藪の中」は本当に真相が「藪の中」という作品だが、さすがに本作がそんな結末を迎えるとは思えず、着地点がどこになるのかな、と。

    後半、物語が「藪」を抜けてからは、事件の全貌がゆっくりと見えてくる。
    主人公の意図が明らかになり、「何があったのか」と「何が起きようとしているのか」がバランスよくシンクロしてゆく中で、物語は様式美すら漂うくらい綺麗に、しかし、悲しみに満ちた終幕へと向かってゆく。

    はっきり言って、主人公の「行動」には、リアリティーもクソもない。
    しかし、その執念、その情念、そして、ある特別な時代にしか持ち得ない友への強烈な思慕、そのリアリティーは、あまりに鮮烈で痛切で、「出来事」の噓臭さなんて吹き飛んでしまった。
    こういうのが、フィクションの真の力なのだと私は思う。

    タイトルの「徒花」という言葉は、咲いても実を結ばずに散る花を示す。
    何てことだ、タイトルからして伏線だ。
    しかし、実のところ本作は、咲いても実らなかった、ではなくて、実らなかったけれど、確かに咲いたよね、という物語ではなかったか。
    それは、主人公の「これでいい」という言葉と完璧に呼応する。

    エピローグのラストシーンが、信じられないほど素晴らしい。
    もちろん、見事な作画が前提にあってのことなのだが、このラストは、小説でも映画でもなく、漫画でなければ駄目な気がした。
    子どもを守ろうとしなかった大人、子どもを守れなかった大人、そして、子どもを守れなかった子ども。
    誰一人許されないようなもの悲しい世界の真ん中で、このラストシーンにだけ、唯一、本物の赦しがある。
    それはほとんど奇跡と言って差し支えないほどに、ただ静謐に、それでいて気が狂ったように、あまりにも美しい。

    • 369
  8. 評価:2.000 2.0

    劣悪なソリッドシチュエーションスリラー

    映画で言うと「CUBE」とか「ソウ」みたいな、いわゆる「ソリッドシチュエーションスリラー」的な漫画だが、そんなジャンル分けを不毛に感じるほどクオリティーが低い。

    何が起きたのか?
    何が起きるのか?
    あいつは誰なのか?
    それら全ての謎が、悲しいくらいにどうでもよく、「もう勝手にやってくれ」「どうにでもなってくれ」としか私は思えなかった。

    物理法則を無視したようなアクションシーンの適当さも、いい加減にしてほしい。

    • 2
  9. 評価:1.000 1.0

    より有意義な時間の過ごし方の提案

    酷い。
    作画もストーリーもキャラクターの造形も構成も何もかも、稚拙と表現するのも躊躇われるくらいにレベルが低い。

    何がムカつくって、これ多分、設定以外にほとんど事前に話を考えていない。
    「一晩で24人の生徒が死んだ」という設定だけ作って、そこから何かグダグダやっているだけ。
    こんなものに騙されるほど読者も馬鹿ではない。
    ちゃんとしろや。

    当然、「何があったのか」が焦点の漫画であるが、何があったのかも、これから何がどうなるのかも、どうでもいい。
    マジで、死ぬほどどうでもいい。

    これを読むなら、「一晩で24人の生徒が死んだ。何があった?」という大喜利でもやって遊んだ方が、よほど有意義な時間の過ごし方かと思われる。

    読んだこと自体を忘れ去りたいと願いたくなるような漫画であった、ということを明記しておく。

    • 8
  10. 評価:3.000 3.0

    丁寧さは買う

    猟奇犯VS盲目ゆえに他の感覚が異様に発達した女子高生の話。

    私は基本的には猟奇大好き一般ピーポーなので、題材としては楽しく読めた。
    また、主人公の女子高生の設定も、まあ多少の無理はあるけれど、やりすぎの域には達しておらず、漫画としてはセーフのラインかと思う。
    突っ込みどころだらけ、ということもなく、すんなり読めた。

    サスペンス漫画としては凝った構成で、わりに丹念に、また細かく作られていて、その丁寧さには好感を持った。
    これを原作なしでやっているのだから、なかなかのものだと思う。

    ただ、これは難しいところなのだけれど、丁寧に作られた「過程」の部分が楽しいかと言えばちょっと疑問で、優れたサスペンス漫画にある高揚感とか、緊張感とか、そういうものはイマイチ編み上げられていない、という印象を持った。

    • 4

設定により、一部のジャンルや作品が非表示になっています