5.0
読んで損なし!
5つの家から選ばれる雛女達の物語。雛女達は入宮し、皇太子の後の妃として序列を競います。
頂点の皇后の最有力候補である黄家の玲淋は、美しく舞も刺繍も才能に溢れた完璧な雛女として殿下の胡蝶と呼ばれて寵愛を受けています。
対して朱家の慧月は容姿も性格も醜く才能もないので、周りの者達からドブネズミとして避けずまれていた。玲淋に嫉妬している慧月は、自身の唯一の才能である道術で、七夕の祭りの時に自身と玲淋の魂を入れ替えてしまう…。
誰からも愛される美しい雛女、玲淋は嫌われ者の慧月として生活していく事になりますが…。玲淋のどんな環境でも馴染んでいまう強靭な精神と周囲の嫌味を物ともしないタフさにひたすら脱帽!!
都合良い展開も彼女の強運と見れるし、慧月(中身は玲淋)に仕える女官も最初は軽蔑と恨みで接していますが、別人のようになった主人に心を開いていきます。その過程の描き方が素敵です。
悪女である慧月も、後に出てくる黒幕も、根っからの悪ではなく環境や境遇から他者を恨む事になってしまった…。悪役にも救いがあればいい…と思える話です。玲淋が大好きですが、後半からはむしろ慧月が良い!!慧月が読者さんに嫌われすぎないでほしい!!
皇太子そっちのけで女達が強い物語、読んで損なしの作品です。皇太子も出番少なく、悪女(玲淋ですが笑)に翻弄されて情けないですが、玲淋への愛は本物なので、そちらもどうなるのか気にはなります。
第一幕は読破しました。
ニ幕も楽しめる展開だと期待しています。
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ふつつかな悪女ではございますが ~雛宮蝶鼠とりかえ伝~