関根明良×日高のり子:「これ描いて死ね」インタビュー(1) ヤスミンとポコ太 「励まされて前に進める」イマジナリーフレンド 温かさ、優しさを感じながら

配信日:2026/06/28 9:01

アニメ「これ描いて死ね」に出演する安海相役の関根明良さん(左)とポコ太役の日高のり子さん
アニメ「これ描いて死ね」に出演する安海相役の関根明良さん(左)とポコ太役の日高のり子さん

 マンガ大賞2023大賞、第70回小学館漫画賞に選ばれたことも話題のとよ田みのるさんのマンガが原作のテレビアニメ「これ描いて死ね」が、7月3日から日本テレビ系フラアニ枠で放送される。「ゲッサン」(小学館)で連載中の“マンガ×女子高生青春ストーリー”で、東京都の島しょ・伊豆王島を舞台に、マンガに魅せられた女子高生が仲間とともに漫画研究会を結成し、自分の描きたいモノを模索しながら奮闘する。声優の関根明良さんが高校1年生の主人公・安海相(ヤスミン)、日高のり子さんがヤスミンのバイブルであるマンガ「ロボ太とポコ太」に登場するロボットで、ヤスミンのイマジナリーフレンドのポコ太を演じる。関根さん、日高さんに作品の魅力や、ヤスミンとロボ太の関係性、収録の裏側について聞いた。

 ◇「夢っていいな」と感じられる作品 ポコ太に見守られる気持ちを実感

 --「これ描いて死ね」の作品の印象や、魅力を感じるところは?

 関根さん 夢っていいなと思わせてくれるところが魅力だと思います。収録が終わって、改めて原作を読み直した際に、今、夢を持っている人も持っていない人も、あるいは、諦めてしまった人も、「夢はそこで終わらず次へ繋げていくものなんだな」と、改めて感じられて。また私は高校卒業後に専門学校で声優俳優科に進むと決めたのですが、その時の「やるぞ!」という気持ちが相ちゃんと重なるなと思います。

 日高さん それぞれのキャラクターが本当に特徴的で、どの子も「いそう」という感じがすごくして、親しみを覚えます。あとは、一つの絵柄ではないといいますか、ものすごく美しい背景画が入っていたり、とよ田先生って一体いくつ手法があるんだろうと思ってしまうくらい、飽きさせない描写があるなと感じました。また、舞台が伊豆大島というところで、自然の中で育まれたのんびりとした高校生たちが和気あいあいと自分たちの好きなことにまい進する姿があって、それを厳しくも温かく守る大人たちがいる。舞台が都会ではないところののどかさ、人の温かさ、ヤスミンの大らかさがすごく表れているなと思って。作品を読んで、自分も好きなことを見つけて頑張りたいという思いが湧く方もいるでしょうし、この物語に癒しを求める方もいらっしゃるかもしれないし、自分の中に眠っている熱きものに気づく方もいるかもしれない。いろいろな方の心に刺さるマンガだなと思いました。

 --出演が決まった時の率直なご感想は?

 関根さん 「やったー!」という気持ちが最初で、その後に、相ちゃんはキラキラと輝いていく女の子なので「この輝きを損ねず増していかなきゃいけない。頑張らねば!」と気合を入れた時を覚えています。ただ、人見知りで引っ込み思案な女の子でもあるので、その調整も考えました。

 --日高さんが演じるポコ太はタヌキのような見た目の愛らしいキャラクターで、「こんなに可愛らしい役は久しぶり」とコメントされていました。

 日高さん そうですね。それもそうですし、そもそも少年声が久しぶりですね。青年役はやっていたのですが、可愛らしい少年声を出すのが久しぶりで、オーディションの時には声の調整から入って、「どのくらいだったかな」と、ちょっと懐かしさもありつつでした。なんといってもポコ太が可愛らしくて、しかも人を励ますキャラクターということで、本当に気持ちがいいというか。だからぜひともやりたいという気持ちを持ちながらオーディションを受けました。決定まで時間があったので、決まった時はじわじわうれしさが来る感じでした。

 --ポコ太はヤスミンから生まれたイマジナリーフレンドで、引っ込み思案のヤスミンを励ましたり、応援したりと背中を押してくれる存在です。ヤスミンとポコ太の関係性をどう捉えていますか?

 関根さん 全てじゃないかなと思っています。兄弟であり、弟の時もあれば、お兄ちゃんの時もある。親友であって、友達でもあって、また家族でもあって、相ちゃんの関係性の全てにポコ太は関わっている気がしています。常に見守ってくれる存在がいるからこそ頑張れる時ってあるじゃないですか。肯定するだけでなく、ちゃんと諭して背中を押してくれる。「こんなときマンガの主人公なら?」と応援してくれる。イマジナリーフレンドだとしても、ちゃんとポコ太がそこにいると感じられるんです。そのため収録に日高さんがいらっしゃらない日は、早見沙織さん(手島零役)と「きょうはポコ太に会えなくて寂しい」なんてお話するくらい、私もみんなも寂しくなってしまうくらい温かい存在です。

 日高さん 本当に? うれしい!

 --関根さんは、ポコ太役が日高さんと知った時はどう感じましたか?

 関根さん びっくりしました。「嘘? ご一緒できるの!?」と。第1話の収録の時は、緊張していたんですけれども、テストの際、私がどこのマイクに入ればいいか迷っていた時、「一緒に入ろう」と優しく背中に手を添えてくださって。とても安心したことを覚えています。日高さんの温かさ、優しさを感じて、ポコ太がいつも見守ってくれているってこういう感覚なのかもしれないと思いました。本当にありがとうございます。

 日高さん とんでもございません(笑)。私がマイクに入っていると遠慮されてしまう後輩たちが結構いて。そういう意味では、ヤスミンは私こそが招き入れるべきキャラクターなので。

 関根さん ありがとうございます!

 --日高さんがポコ太とヤスミンを見ていて感じることは?

 日高さん ポコ太が常に前向きなんですよね。ヤスミンが弱っている時に慰めるというよりは、「どうした、どうした!」と明るい方向に持っていくキャラクターなんです。それって、マイナス思考ではないヤスミンの心からポコ太が生まれているからそうなっているのだろうなと思うんです。ヤスミンとシンクロして二人同時に喜んだり、悲しんだり、驚いたりする場面もあって、「あ、この人から生まれているんだ」と再確認できる。ヤスミンがポコ太の一言に対してすぐに「やってみる!」と前向きになってくれるところもすごくうれしくて、皆さんに「ポコ太がいてくれたら自分も励まされて前に進めるのに」と思ってもらえるような、そんな関係性だなと思います。

 ◇ヤスミンの天真爛漫さを楽しんで表現 誰からも愛されるポコ太に

 --演じる中で意識したことは?

 関根さん すごく丁寧にディレクションしていただいていて、ご相談をさせていただきながらキャラクターを作り上げていったので、いざ収録が始まった時は、一回それを全部忘れようと思いました。相ちゃんはコロコロと表情が変わるので、頭で考えすぎてしまうと、そのテンポに追いつけなくなる気がして。一回忘れて、皆さんの演技を聞きながら楽しまないと、この天真爛漫さは出ないんじゃないかと思い、難しく考えすぎないように気をつけていました。

 日高さん 私はポコ太を誰からも愛されるような可愛らしいキャラクターにしたい、かつ面白いキャラクターにしたいなと思い、アドリブも自分なりに工夫して、ポコ太ならではの表現を目指していきたいなと思っていました。ヤスミンへの声のかけ方も同じパターンで励ます場面もあるので、その言い方をどうしたらいいかなと迷いながら、一話一話積み重ねていくような感じでした。音響監督さんに「私、ポコ太を可愛くしたいんですよね」とお話ししたことがあって、それを受け止めてくださったんですけど、収録で可愛くなくなった時に「もう一回。もうちょっと可愛くしてください」と言われちゃうということもあって(笑)。私の行きたい方向に皆さんが協力してくださいました。

 --収録で印象的だったことは?

 日高さん 最初にびっくりしたのは、明良ちゃんの高音の咳(せき)払い。収録の前に声の調整でせき払いをすることがあるんですけど、あんなに高音の咳払いを初めて聞きました。高音の鳥のさえずりみたいな感じの喉の調整をするんです。私、それが面白くって「初めて聞いた!」と思って。

 関根さん 学生時代に神谷明さんから自分が出せる高音を覚えておくと、喉の調子の良し悪しが分かると教えていただき、それからはルーティンになっていまして。

 日高さん そうなんだね。でも、分かる。すっごく小さな音で、割といい調整ができるよね。ただ、最初はそれが調整の声と気付かなくて、何が鳴っているんだろうって。そしたら鳴っているんじゃなくて、明良ちゃんが出していたんです。

 --関根さんは、日高さんと一緒に収録して感じることは?

 関根さん 隣のマイクからポコ太のお声を聞くことが多かったので、一番感じていたのは安心感でした。ポコ太の声は少年みがあるのですが、母性を感じる時もあって。どのシーンでも愛を感じられるところが、私はたまらなく好きなんです。自分が演じている時は「もだえちゃいけない」と律しているのですけど、ポコ太だけが話すシーンは「可愛い」という声が漏れないようにいつもこらえていました。

 インタビュー(2)へ続く。

※日高のり子さんの「高」は「はしごだか」。

提供元:MANTANWEB

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