フォルティクス:すべての特撮ファンに捧ぐ 鈴木福×濱田龍臣×武田玲奈×坂本浩一監督が新作特撮に込めた思い
配信日:2026/06/21 8:03
アプリサービス・東映特撮ファンクラブ(TTFC)の10周年を記念した完全オリジナル新作特撮「フォルティクス 配信!推しを継ぐもの」が、6月7日に配信がスタート。坂本浩一さんが監督を務め、足木淳一郎さんが脚本、野中剛さんがデザインを担当した新たなヒーロー、フォルティクスの活躍を描く。トリプル主演を務める鈴木福さん、濱田龍臣さん、武田玲奈さんと、坂本監督に話を聞いた。
◇“初共演で特撮”に感じた「運命」
--本作への出演が決まった際の気持ちをお聞かせください。
濱田さん:お話をいただいたときには福君の名前を聞いていたので、まず「福君とお芝居、しかも特撮オタクの役か!」という驚きがありました。福君と共演するのは初めてだったし、そこに坂本監督で脚本が足木(淳一郎)さんという座組みに、これはもう運命に導かれたような出会いだなと感じ、二つ返事で「ぜひ!」とお受けしました。ワクワクしながら現場に行き、実際に素敵な現場で楽しくやらせていただけたなと思っています。
鈴木さん:TTFCの10周年企画という作品で主演をさせていただけるのが何よりもうれしかったです。それこそ龍臣君がいて、坂本監督がいて、そこに武田さんもいらっしゃって、もうザ・特撮の布陣と言いますか(笑)。「いいな。楽しみだな」と思っていました。
武田さん:正直「まさか特撮のお話が来るとは」と驚き、「私でいいんですか?」みたいな気持ちになりました(笑)。再び特撮に関わることがあるとは予想もしていなかったので、すごく意外でした。(鈴木さんと濱田さんの)お二人とも共演したことがなく、ご一緒させていただけるのもうれしいなと思いながら撮影に臨みました。
◇坂本監督の“野望”が結実 鈴木福&濱田龍臣の共演は「僕の夢」 武田玲奈起用の決め手は
--特撮ファンをうならせる組み合わせのトリプル主演です。3人を起用した経緯や理由を教えてください。
坂本監督:この企画自体、自分が考えたものです。実は福君とは「仮面ライダーギーツ」のときに、「福君を主演にしてギーツのスピンオフをやりたい」という話をしたことがあり、龍臣も「いつか東映に呼びたい」と思っていたら先に別の監督に呼ばれちゃってくやしく思っていたんです(笑)。そんな折にこの10周年の話があったので、「この二人を共演させれば自分の夢が一気に叶う」という企みもありました(笑)
--ではヒロインに武田さんをキャスティングしたのは?
坂本監督:ヒロインを誰にするかはとても重要でした。TTFCの作品ということもあって、会員の方々が知っている人でありつつ共演がフレッシュな顔合わせで、演技力はもちろん誰もが好感を持って感情移入できる3人にしたい思いがありました。そんな高いハードルがある中で武田さんの名前が上がり、いの一番にオファーしたところ、快諾をいただけました。自分の望む主演3人が成立したことは大きかったですね。
◇「想定の4倍」の生身アクション 坂本組は「実家のような安心感」
--坂本組の現場は熱量が高いことでも知られていますが、参加経験のある鈴木さんや濱田さんは、改めて体験されての印象は?
濱田さん:今作の撮影の1カ月前にも坂本組の別現場に入らせていただいていたので、衣装合わせなどもデジャブのような感じがしました(笑)。坂本組って実家のような安心感があります。
鈴木さん:久しぶりの参加でしたが、現場でつけてもらうアクションの量が想定の4倍くらいあって、「やっぱりさすがアクションあるな!」と再確認しました(笑)。「フォルティクス」の尺を想定して台本を読むと、アクションカットがあんなにあるとは思わない……という現象が発生していました(笑)。坂本組らしい、生身のアクションをしっかりやらせていただきました。
--武田さんは初参加ですがいかがでしたか?
武田さん:すでにチームが出来上がっていて、スムーズにどんどん進んでいくので、身を任せてついていったみたいな感覚でした。
◇すべてのファンに捧げる作品「特撮を好きでよかったと思ってほしい」
--坂本監督から見て3人の役者としての魅力はどう映りましたか?
坂本監督:楽しかったですね。3人は初共演ですけど、信じられないぐらい仲良かったのと、撮影現場自体が楽しかったので、自分としてはお父さん目線でずっと見ていましたね(笑)。
--そんな3人によるトリプル主演にはどのようなメッセージを込めたのでしょうか。
坂本監督:特撮にも仮面ライダーやスーパー戦隊、ウルトラマンなどジャンルがある中で、本作は垣根を超えてすべての特撮ファンに捧げたい思いで作りました。自分自身もそうですけど、特撮作品によって人生が変わる、特撮が好きだった福君や龍臣が俳優として第一線で頑張っているなど、特撮を見て育った人たちが今や特撮を作っている。だからこそ今作を見たファンの方が特撮を好きでいてよかったと思える作品にしたかったですね。
--トリプル主演という形でしたが、撮影現場でのバランスやコンビネーションなどはどんな感じだったのでしょうか。
鈴木さん:龍臣君がどっしりと構えていてくれましたね。
坂本監督:2人(鈴木さんと濱田さん)は若いけど経験値がすごいからね。劇中で犬をあやすシーンがあったのですが、2人が率先して動いているのを見てすごいなって。さすがの経験値だなと感心しました。
濱田さん:特にみんな何かを意識したということもないと思います。
鈴木さん:3人のシーンが多くてずっと一緒にいて、かつ他の方との共演シーンもあまりなかったので、誰が引っ張るとかそういう感じはなかったかもしれません。
濱田さん:あと初日の撮影に水野直さんとか声が大きい方がいらっしゃって(笑)。「ああ声がデカいな」と思いつつも、そのおかげで何か一体感が生まれたかも。
◇特撮ならではのロマンとワクワク感
--監督として特にこだわったポイントは?
坂本監督:企画から参加しているので、全体的に何か新しいものを出したいと思う反面、何かしらの安心感を出したいというのはありました。新しいものを提供したときにお客さんがどう反応するかより、みんなが勝手知ったるものを見つつ、それでも新鮮な気持ちで見られる。共感できるのが一番いいのかなと思って、そこは意識しました。
--フォルティクスのデザインが決まるまでの経緯を教えてください。
坂本監督:デザイナーの野中(剛)さんと相談して、既存のライダーや戦隊、メタルヒーローのどれとも被らないデザインを目指しました。もちろん難しいですが(笑)。今回は変身者とは別の人格を持つ新しいヒーローで、その中にどこか懐かしさを感じさせたいと思っていました。そこで、最近のヒーローのデザインとは逆に、シンプルにしてもらいました。ちょっと懐かしい雰囲気を持つ新しいヒーローがこだわりポイントですね。
--主演の皆さんは、改めて特撮作品ならではの魅力をどんなところに感じますか?
鈴木さん:ロマンがあります。フィクションの中の王道というか。多くのフィクションを作る中に入ってきましたが、特に「こんなことあったらすごい」というのをド直球にやるのが特撮だなって思います。特撮だからできることだし、そこに夢を見てたくさん勇気をもらってきた人間としては、やっぱり素晴らしいなと感じます。
武田さん:ほかにはないワクワク感があるなと思います。見ていてかき立てられるようなワクワク感や、湧き上がってくるものが、他ジャンルでは得られないもの、唯一無二なものがあるなって。元気になる、勇気をもらえるジャンルだなと思います。
濱田さん:ロマンもそうだけど憧れが大きいのかなと。憧れていて愛している人が作り手側にも多くいるという、特に多いジャンルだと思います。もっと良くしたい、もっとカッコよくしたいとか、特撮に狂わされた人間が特撮に狂わされる輪廻が、もう何十年も前からずっとできているのかなって(笑)。
小さい頃、夢見ていたものになって、福君は四つ下でそれを叶えていて、もちろん福君の同世代や下の世代でも、特撮に憧れてヒーローに憧れてヒーローになっている俳優さんとかもいらっしゃいます。もちろんスタッフさんたちの中でも若い世代も増えてきて、巡っているなと。憧れと愛が根底にあって、それがファンの人たちにもちゃんと届いていて、ファンの方たちも憧れと愛を持って見てくれているからこそ面白いのだろうなと思います。
◇変身ポーズはライダー、戦隊、巨大ヒーローへの敬意を込めて
--改めて完全新作の特撮作品をやってみて、いかがでしたか。
坂本監督:既存の作品がたくさんある中で、自分もいろいろとやらせていただいてますが、なかなか完全新作をやる機会は少ないですね。今回は特別な機会をいただいて、しかも自分が立案した企画だったので、プレッシャーは大きかったですけど、それ以上に楽しさが大きかったです。毎日が新鮮で、新しいことにチャレンジしたいというワクワク感が勝ったんだと思います。
--今作で何か挑戦したことは?
坂本監督:今回は特撮に対する恩返しじゃないですけど、自分も含め特撮によって人生が変わった人たちがたくさんいるくらい、特撮というジャンルが持つ特別な力を感じています。最近では日本だけじゃなく海外にも広がり、それを肌で実感しているので、恩返しがしたいという思いはありました。
--変身シーンの撮影に関してエピソードがあれば教えてください。
武田さん:変身させていただくのが初めてで、ポーズも初めてやりました。お二人はもうプロだったので、私もまねしながら頑張ったので見てほしいです。
--デバイスを掲げる高さが3人違うのは?
坂本監督:それぞれライダー風、戦隊風みたいな感じでやって。武田さんはアクション部からの提案もあったのですが、(鈴木さんと濱田さん)2人は独自に自分で考えてきていましたね。それぞれ3人のキャラが好きな単体ヒーロー、グループヒーロー、巨大ヒーローのオマージュを入れたポーズで「配信!」と叫んでもらいました。
--鈴木さんと濱田さんは、やはりこだわりがふつふつ湧いてきたのでしょうか?
濱田さん:こういう動き、このオマージュを入れたら楽しそうと提案してやらせてもらいました。
鈴木さん:3人同時なので、タイミングを合わせるのは間のつなぎ方だったり、ちょっとした角度でよくなるっていうのは、これまでの作品でも見てきたし、やってきたので。
濱田さん:プロだからね(笑)。
--最後にファンの方へメッセージをお願いします。
鈴木さん:僕も含め支え続けたTTFCの10周年を皆さんと一緒にお祝いできること、新作の特撮ができることはとてもうれしいです。皆さんがこれからも応援し続けてくれることで、フォルティクスもそうですし、他作品も増えていくでしょうし、お祝いできること自体がうれしいので、皆さんぜひ何度でも見ていただけたらなと思います。
濱田さん:ヒーロー作品のフォルティクスを好きな役をやらせていただき、自分自身とリンクすることが多い役でした。TTFCで配信されるということで、特撮を好きでいろいろ作品を見られている方が見てくださると思うので、童心に返るというか。特撮を見るときは自分も含めてそうだと思いますけど、純粋にヒーローとしてのフォルティクスを楽しみながら、ドラマの部分も楽しんでいただければなと思います。
武田さん:見てくださる方は特撮愛のある方ばかりだと思うし、今回の私たちのキャラクターも特撮オタク。登場人物たちに投影してもらいながら、TTFCの新たな世界線みたいなのを想像しながら楽しんでもらえればと思います。
坂本監督:作品を見て、熱くなってほしい、感情移入してほしい、盛り上がってほしいと思いながら作りました。TTFC会員の方々は特撮偏差値が高いので、そのような人たちが見ても楽しめる作品を目指しました。何度も見て、あちこちに散りばめたネタを拾ってほしいですね。まだTTFC会員じゃない方は、ぜひこの機会に入会して見てください。幅広い方に見ていただけたらうれしいです。 (取材・文・撮影:遠藤政樹)
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