独占有名人インタビュー:中尾暢樹:「一礼して、キス」主演の実力派若手俳優は“匂いフェチ”!?「漫画からの学びで今の自分がある」
更新日:2018/01/11 10:00
『動物戦隊ジュウオウジャー』(2016年)でジュウオウイーグル/風切大和役として華々しく俳優デビューを果たし、その後も次々と人気ドラマや映画に出演している俳優の中尾暢樹(なかお まさき)さん。さまざまな役になりきる高い演技力で、人々を魅了しています。実家に数百冊も漫画をストックしていた大の漫画好きの中尾さんにとって、“漫画を読む”ことはどんな意味があるのでしょう?
中尾暢樹
少女漫画の主人公に恋しちゃう
――漫画原作の作品にも出演されていますが、普段から漫画は読んでますか?
一日中家に籠って、一気に30冊くらい読んじゃうこともあるくらい、漫画は大好きです。
小さい頃は「金色のガッシュ!!」(雷句誠)や「MAJOR」 (満田拓也/小学館) を、かなり読み込んでました。
「DRAGON BALL」 (バードスタジオ/集英社) 、「ONE PIECE」 (尾田栄一郎/集英社) のような、王道な少年漫画も好きですね。まだこの名作を読んでない人は、初見の楽しみが残っていてうらやましいです。
中尾暢樹
漫画を読み始めてからずっと、単行本をコツコツ集めていて、実家には600冊くらいあったんです。でも、この間久しぶりに実家に帰ってみたら、全部兄に売られていました……。その点で言うと、電子コミックって便利ですよね。勝手に売られたりしないし(笑)。
――かなり読んでるんですね!お兄さんや学校の友だちと漫画の貸し借りをすることも?
好きな漫画は全部自分で集めちゃうので、貸すことが多いですね。友だちも、漫画を読むために僕の家に入り浸ってました。
たまに古本屋でマイナーな漫画がセット売りされているのを買ってみたり、漫画だったら何でも読みます。以前兄が「知らない漫画を買ってくるな!」と怒っていたのに、読んでみたら結局ハマってることもありました。
――最近だとどんな漫画を読みましたか?
今まで読んだことなかったんですけど、最近は少女漫画を読むようになりました。ただの恋愛の話なんだけど、それぞれ人によって恋愛の仕方や感じることも違うんですよね。有名漫画をイチから読もうと思って、「アオハライド」 (咲坂伊緒/集英社) や「ストロボ・エッジ」 (咲坂伊緒/集英社) を読みました。
中尾暢樹
特に心に残っているのは、誰もが振り返る美少女である柴石すいれん(しばぜき すいれん)と、硬派な空手男子の川澄泰一(かわすみ たいち)の不器用な恋模様を描いている「日々蝶々」 (森下suu/集英社) 。現実離れした不思議ちゃんである主人公のすいれんちゃんがかわいくて、すごくタイプです。夢見がちなので、こういう女の子に憧れちゃうんですよね。漫画の中でくらい、夢見たいなって思います(笑)。
- 少女漫画 日々蝶々
- 4.0 (4486件)
漫画に影響されやすいタイプ…
――女性キャラに可愛さを感じるとのことですが、漫画に登場する男性キャラに憧れることも?
「コイツ、カッコイイな!」って素直に思ったのは、「風夏」 (瀬尾公治/講談社) に登場する、伝説のバンド・へッジホッグスのベースであるニコ。バンドのONE OK ROCKのベースみたいな、クールな感じがたまりません。
――また濃いところをいきますね(笑)!
音楽も好きで、普段からJ ROCKをよく聞いているんですよ。電車で移動する時には、音楽を聴きながら電子書籍で漫画を読んでます。
基本的に電車移動なので、もしかしたらどこかで居合わせるかもしれないですけど、少女漫画を読んでるときは、恥ずかしいんであまり見ないでください(笑)。
中尾暢樹
――プライベートはどのように過ごすことが多いですか?
一人で出かけることも多いです。この間2週間くらい京都でロケをしていた時も、仕事の合間に1人で観光してきました。
以前TVドラマで実写化されていた「バンビ~ノ!」 (せきやてつじ/小学館) という漫画の影響で、普段から自炊をするようにしてます。静かで上品なホールと、戦場みたいに忙しない裏の厨房の様子のギャップが、すごくリアルで印象に残っています。
――漫画に影響されて行動することもあるんですね。
安易ですけど、「テニスの王子様」 (許斐剛/集英社) に憧れて、テニスもやってました。スポーツものは、漫画を読むことによって知識が入るからいいですよね。
- 少年漫画 テニスの王子様
- 4.1 (1531件)
テニスの名門校・青春学園中等部に入学してきた越前リョーマ。アメリカJr.大会4連続優勝の経歴を...
出演作である「一礼して、キス」 (加賀やっこ/小学館) の撮影のために弓道を始めたんですが、クランクアップしてから、改めて初段を取りました。何事も、ハマりやすいタイプなんです。
“武道俳優”をめざして
――「一礼して、キス」 (加賀やっこ/小学館) では主人公に恋する後輩・三神曜大(みかみ ようた)を演じていましたよね?
今でこそ少女漫画を読んでますけど、この仕事が決まるまでまったく触れてこなかったジャンルでした。個人的なイメージだと、少女漫画に出てくる男子=“キラキラ王子様”と思ってたんですけど、実際に原作を読んでみると、かなりリアルに人間関係が描かれていて、すごく人間臭い。両親との確執など、深いところまで描かれている漫画だったので、すごく演じやすかったです。
――演じていて、中尾さんと三神の共通点はありましたか?
負けず嫌いや嫉妬深さは似ているかな。大なり小なり、誰にでもあると思うんですけど、増幅させてストレートに外に出しちゃうんです。ただ、三神は僕よりも不器用でまっすぐですね。頑なに行動するから遠回りをすることもあるけど、自分の好きなことを自由に動いてやれるのは、男として羨ましいです。
中尾暢樹
三神は“弓道をしている時の背中”が好きという、ちょっと変わったフェチがあるんですけど、僕は“匂い”が好きですね。男女関わらずですけど、例えば香水の匂いを嗅いで、その人のことを思い出すこともあります。
- 少女漫画 一礼して、キス
- 3.8 (2511件)
中学からの6年間を弓道に捧げてきた、岸本杏(あん)。弓道部の部長は務めているものの、結局、満足...
“背中”って上級者向けだと思うんですけど、作者の加賀先生が描く作品の「湿度が高い、品のあるエロさ」って、そういう細かい所から生まれてるんでしょうね。ちょっと文学的な雰囲気があるんですけど、弓道と恋愛を組み合わせたことによる化学反応の結果なのかなって思います。
――中尾さんの道着姿、すごく馴染んでいましたよね。それもまた色気が出る要因の一つだったのでは?
弓道は出演が決まってから始めたんですけど、小さい頃から、兄妹と一緒に剣道をやってたので、武道の心得は既にあったのかもしれません。
ぜひ、武道ブーム、来てほしいです。“武道俳優”っていうジャンルを、新しく作っていきたいですね。
――主演作品はこれで2作目ということですが、前の役との演じ分けは大変でしたか?
1作目が戦隊だったので、かなりアツイキャラクターだったんですよ。それに反して、三神は、クールでぼそぼそと話す感じ。差はすごかったですけど、人物が全然違うからこそ、うまくスイッチを入れ替えられました。
撮影スケジュールが被っていた時期は、今まで生きてきた中で一番忙しかったですね。朝から夕方まで、ヒーローショーで熱血の演技をして、夜からはしっとりと色気のある演技をして……。忙しくて、頑張ってて、青春しましたね。思い返すと、パワーがもらえます。
次は時代劇で森蘭丸を演じることになっていて、これも楽しみです。殺陣とか、昔ながらの所作とか、かなり勉強させてもらってます。
中尾暢樹
――いろんな役柄を立て続けに演じている中尾さんですが、今後演じてみたい漫画のキャラクターはいますか?
「BLEACH」 (久保帯人/集英社) の黒崎一護(くろさき いちご)や「名探偵コナン」 (青山剛昌/小学館) の工藤新一(くどう しんいち)を狙ってたんですけど、もう実写化しちゃいましたよね……。ゆくゆくは、オールバックのインテリヤクザとか、タトゥーバリバリのスキンヘッドとか、アングラっぽいキャラクターを、やってみたいですね。
アングラといえば、「闇金ウシジマくん」 (真鍋昌平/小学館) が好きなんです。特に田舎から上京した読者モデルの“センターT”こと中田広道(なかた ひろみち)が、読モの中でもトップクラスの存在である“オサレエンペラー”を目指す「楽園くん編」は、自分が活動している芸能界と近くて、なんとなく身近な気がします。こういう風にはならないようにしようって決意して、真面目に仕事してます(笑)。
漫画によって作られた自分
――俳優になろうと思ったのはいつから?
元から興味はあって、高1の時に養成所に入りました。その時に舞台の手伝いで生の劇を初めて見て、自分とほぼ同年代の人たちが高い熱量で芝居をしていて、感動したんですよね。「俺、ここで何をしてるんだろう。早く俺も舞台の上に立ちたい」って思ったのが、真剣に取り組むようになったきっかけです。
実際仕事をしてみて、演者はもちろんのこと、スタッフさんも大勢集まって何かを作るのが楽しくてしょうがないんです。いろんな現場に行って、出会いと別れはあるんですけど、違う現場でまた一緒に作り上げることもできる。それがすごい嬉しいです。
中尾暢樹
――将来どんな俳優になりたいですか?
森山未來さんみたいな、舞台もできるし歌もうまい、ドラマの演技もできる役者に憧れています。まだ舞台はやったことがないので、頑張ってみたいな。舞台の演技は、一つの役を極限まで追い続けるストイックな部分があると思います。だからこそ、やり遂げることができたら、今よりも成長できると思うんです。ストレートな演技、挑戦してみたいです。
中尾暢樹
あとは、気遣いができる人になりたいですね。撮影の現場では、役者が作る雰囲気って、本当に大事だと感じています。以前ドラマに出演した時は、クランクインの時に主演の先輩に声をかけてもらって、それだけですごく嬉しかったんですよ。その初心を忘れずに、自分も周りの空気を明るくしていきたいです。
――最後に、自分にとって漫画とはどんな存在だったか、聞かせて下さい。
“漫画”は、自分の糧です。例えば感情の見せ方とか、これまで漫画から学んできた事によって、今の自分が作られている部分も多いと思います。
自分の中の逃げ道の一つが“漫画”でした。現実世界で嫌なことがあっても、好きな世界に没頭して、逃げることもできる。厳しい道だけじゃなくて、自分を逃がす道も作っておくことって、大切なことなんじゃないでしょうか。
同じ作品を読むことで、他の読者とも、幸せな気持ちを共有できるといいですよね。これからもいろんな漫画を読んでいきたいと思います。
中尾暢樹
楽しそうに作品について語る中尾さんの笑顔がまぶしく、キュンキュンし通しのインタビューでした。フレッシュな魅力溢れる中尾さんは、デビューしてからわずか数年で主演作品2本。いずれ挑戦したいという、ダーティーでアングラな一面も楽しみに待ってます!
写真:原恵美子
プロフィール
中尾暢樹(なかお まさき)
1996年11月27日生まれ、埼玉県出身。テレビドラマ『動物戦隊ジュウオウジャー』(2016年)で主役をつとめ、俳優として本格的にデビューを果たす。その後、テレビドラマ『あいの結婚相談所』(2017年)や、『人は見た目が100パーセント』(2017年)などの話題作に出演。映画『一礼して、キス』(2017年)では、ヒロインの相手役・三神曜太を熱演して、若い女性を中心に、多くの人々の心を惹きつけた。
◆映画「一礼して、キス」 公式ホームページ
◆中尾暢樹 ワタナベエンターテインメント 公式プロフィール
http://www.watanabepro.co.jp/mypage/10000066/
◆中尾暢樹 公式Twitter
https://twitter.com/masaki_nakao_
◆中尾暢樹 公式ブログ
https://ameblo.jp/nakaomasaki/
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