小林ゆうインタビュー(後編):「進撃の巨人」「ブラッククローバー」「銀魂」など大人気アニメに出演!キャラクターや作品の魅力を語る!

小林ゆうインタビュー(後編):「進撃の巨人」「ブラッククローバー」「銀魂」など大人気アニメに出演!キャラクターや作品の魅力を語る!

更新日:2018/09/25 10:00

「銀魂」の猿飛あやめや「進撃の巨人」サシャ・ブラウスなど数々のアニメに出演している声優・小林ゆうさん。出演している作品やキャラクターの魅力、そして昔から好きだったという落語との関わりについて熱く語ってもらいました!

アニメで描かれていない時でも、キャラクターは一生懸命生きている

小林ゆう

小林ゆう

――アニメ「進撃の巨人」Season 3の放送が始まりました。 Season 3となると、現場の雰囲気もアットホームですか?

そうですね。進撃のイベントにご一緒させていただいたり、デビュー当時から共演させていただいている方がいたり、同世代の方も多いので、仲のいい現場です。特にコニー・スプリンガー役の下野紘さんとは一緒にイベントへ出演することが多く、仲よくさせていただいています。コニーと私が演じるサシャ・ブラウスは、“コニサシャコンビ”といってちょっとおバカな2人っていう感じで描かれているんです。

収録の休憩やイベントでは、皆でとっても和気あいあいとしていますが、アフレコ時は張り詰めた緊張感がありますね。「進撃の巨人」 (諫山創/講談社) の世界は、生きるか死ぬか、常に命の危険にさらされています。人間を食べてしまう残酷な巨人に、人類が力を合わせて挑んでいるので、私たちも並々ならぬパワーで向き合わないと演じられないんですよね。

小林ゆう

小林ゆう

―― Season 2の放送時にサシャが子供を守るために巨人と対峙する回がありました。やはり、自分の演じているキャラクターにスポットがあたる回は、演技にも力が入るのでしょうか。

アニメで描かれているのは同じ時間の中の一つの場所だけで、映されていないキャラクターも何か別のことをしていると思っています。例えば、サシャさんがお肉とかを盗み食いしている時に、他の人は立体機動装置を磨いて次の戦いに備えているかもしれない。そういう何かしている時に、たまたまスポットがあたって描かれているだけなんじゃないかって。今回のような場面にもスポットを当てていただいて感激でした。

Season 1でも、お芋も食べて教官に怒られているところにスポットがあたって、何でお芋やお肉を盗み食いしちゃうんだろうって皆から変な目で見られたり、ちょっと個性的なキャラクターだなって印象をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。でもサシャさんは狩猟民族出身で、食べ物に対する執着が強くて、食べられる時に食べないと生きていけないという育ち方をしている。そういうバックボーンがあるからであって、実は純粋に一生懸命生きているだけなんだと思います。

教官の前でも食料があれば、食べずにはいられないサシャ

教官の前でも食料があれば、食べずにはいられないサシャ

進撃の巨人
(c) 諫山創/講談社

だから、今まで描かれていなかっただけで、普段はサシャさんも一生懸命巨人と戦っていて、 Season 2になった時にたまたまスポットがあたっただけだと思うので、「サシャさんはずっとこうして生きてきたんだ」という気持ちで演じていました。

巨人から少女を逃がすため、激を入れるサシャ

巨人から少女を逃がすため、激を入れるサシャ

進撃の巨人
(c) 諫山創/講談社

――サシャの新しい一面が見える、いい回でしたね。

サシャさんは勇気があって強いんですけど、お父様とのやり取りにもあったように、悩んだり葛藤したりしている。お芋とかパンを食べているイメージだけじゃなくて、ちゃんと奥行きのある人物だということを視聴者の方に知っていただけたことが、一番嬉しかったです。皆と同じように立体機動を覚えて、訓練して10番以内に入れる実力もある。でも、ちょっとだけ他の人よりユーモアがあるところがいいところだと思いますし、ときには勇敢な戦士として描かれているところが魅力かなと思います。

少女を守り抜いた後、偶然父親と再会する

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進撃の巨人
(c) 諫山創/講談社
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決め台詞を言えることが、憧れの一つ

小林ゆう

小林ゆう

――アニメ「ブラッククローバー」にも出演されていますね。原作を読んだ時の感想を教えてください。

ブラッククローバー」 (田畠裕基/集英社) もとても面白い作品で、原作を読ませていただいた時には、主人公のアスタさんにすごく感情移入してしまいました。自分には魔法の力がないという、とても無謀なところからスタートするんですが、周りの人からは無理だと言われ、普通の人だったら諦めてしまうようなことも自分を信じて乗り越えていく。私はそういう困難を乗り越えていくようなお話が大好きで、勇気をいただけました。生きていると壁にぶつかることってあると思うんですけど、そういう壁も一生懸命頑張ったら越えていけるんだって思わせてくれる作品だと思います。

魔力がないと言われ続けていたアスタが、手に入れた反魔法で敵を倒す

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ブラッククローバー
(c) 田畠裕基/集英社

それから、「ブラッククローバー」 (田畠裕基/集英社) はコメディーシーンがとっても楽しくて可愛らしいです。特に私はアスタさんとヤミ・スケヒロさんとの掛け合いがすごく好きなんです。

――小林さんが演じられているシャーロット・ローズレイの魅力について教えてください。

シャーロットさんは、ヤミさんのことが大好きなんですが、その気持ちをうまく表現できなくて強がってしまう可愛らしい女性です。

見た目は絶世の美女で、しかも団長の一人なのでものすごい腕っぷしですし、普段は非の打ち所のないすばらしい女性なんですが、ヤミさんが近くにいる時には、心の中で「きゃーー!」てなっちゃうぐらい乙女。そのギャップが魅力的で、すごく可愛いんです。アニメでそのお姿を演じさせていただくことができてすごく嬉しかったです。

ヤミが近くにいるだけで恥ずかしくなってしまうシャーロット

ヤミが近くにいるだけで恥ずかしくなってしまうシャーロット

ブラッククローバー
(c) 田畠裕基/集英社

それから、私は戦うキャラクターを演じるのがすごく好きなんです。やっぱり役者さんって皆、必殺技みたいな決め台詞を言わせていただくのって憧れの一つだと思うんですね。だからシャーロットさんが魔法で荊(いばら)を出す時に「荊創成魔法!」って言わせていただくことができて嬉しかったです。

特に原作を読んだ時にアスタさんが入団試験を受けるシーンで、各団の団長が登場してかっこいいと思っていたんですけど、その中にシャーロット・ローズレイとして入らせていただけるなんて、「私はなんて幸せ者なんだろう」と思いました。

試験会場に魔法騎士団長たちが勢ぞろいしたシーン

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ブラッククローバー
(c) 田畠裕基/集英社
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どんなキャラクターだって、普段とは違う面があるから面白い

小林ゆう

小林ゆう

――「銀魂」 (空知英秋/集英社) に出てくる猿飛あやめ(さるとび あやめ)も小林さんが演じる代表キャラクターの一人ですね。

さっちゃん(猿飛あやめ)は、それまで演じたことのないようなキャラクターでした。ドMな女の子というのでしょうか。でも別にドMになりたくてなっているわけじゃなくて、愛情の表現が他の方から見ると個性的に映るだけで、すごく純粋な方なんです。銀さん(坂田銀時(さかた ぎんとき))のことが大好きで、ただその気持ちに真っ直ぐに行動できるとてもチャーミングな女の子だと思います。

銀時に対して独特な愛情表現をする猿飛あやめ

銀時に対して独特な愛情表現をする猿飛あやめ

銀魂
(c) 空知英秋/集英社

――「将軍暗殺篇」では猿飛あやめの戦闘シーンがあり、普段とは違った面を見ることができました。

「将軍暗殺篇」は、とても辛いお話なんですが、大好きですと言ってくださる視聴者の方も多く、私自身もお気に入りなお話の一つです。「銀魂」 (空知英秋/集英社) にはシリアスとコメディの二つの軸があって、それぞれすばらしいことが魅力の一つだと思うんですけど、シリアスなお話の時に活躍する役と、コメディの時に活躍する役があると思うんです。さっちゃんはコメディのお話の時に出演させていただくことが多かったのですが、将軍暗殺編ではシリアスさっちゃんとして沢山出番をいただきました。一つの役でコメディとシリアス、両極を演じることができたのは役者として本当に嬉しかったです。

銀魂って活字が多くてすごい読み応えがあるんですけど、どうやってあのような世界を描いているのかなって空知先生を尊敬しています。

将軍暗殺篇では、いつもと違う表情を見せた

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銀魂
(c) 空知英秋/集英社
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――小林さんは本当にいろいろなキャラクターを演じられていますね。たくさんのキャラクターを演じるために努力してきたことはありますか。

私は「DAN DOH!!」 (坂田信弘、万乗大智/小学館) の主人公・青葉弾道(あおば ただみち)役でデビューさせていただいたのですが、元々、少年役を演じさせていただくことを夢見てこの世界に入ったので、最初に弾道くんを演じることができたことに感謝しております。ゴルフ少年の役でしたので、私もゴルフクラブを買ってゴルフを始めました。実際に自分で経験することで何か掴みたいと思っていました。その後もありがたいことに世界を救う少年だったり、心優しい少年だったり、少年の中でもいろいろなタイプの子を演じさせていただいております。あとは、女性や多重人格の方、男の子だけど女の子のふりをしている、その逆もあったりして、本当に素敵な役柄ばかりです。出会うことができたキャラクターの皆様は全て宝物だと思っております。

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小林ゆう

小林ゆう

私はいろいろな役をやってみたいというのが目標の一つで、自分には無謀に思えることも挑戦したいっていう思いがデビューの時からあったんです。「やらせていただくことができるなら何でもチャレンジしたい!」と心に決めていました。そうやってわからないなりに必死に這いつくばっていたら、いつの間にかいろいろな役を演じさせていただく機会に恵まれるようになったんです。そうして、「私がモテてどうすんだ」 (ぢゅん子/講談社) の主人公の芹沼花依(せりぬま かえ)ちゃんを演じさせていただくことになりました。花依ちゃんは腐女子さんでかなりぽっちゃりしたお姿から、激痩せして美少女に変身します。ぽちゃ、美少女、腐女子さん、どの花依ちゃんも別人のように違う表情を見せてくださるとても魅力的な主人公なので、私も花依ちゃんに追いつけるように必死で食らいついていきました。

私がモテてどうすんだ」 (ぢゅん子/講談社) という作品は笑って、キュンとできて、明日を生きるための明るい気持ちをプレゼントしてくださる素敵な作品です。

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小林ゆう

小林ゆう

今でも少年少女や大人の女性、ちょっとエキセントリックな方、性別が不明な方などの役をいただけていて、一週間のお仕事の中で一つとして同じ役はないんです。日々勉強ですが、これからも一つ一つの役に全力投球して、必死に過ごしたいと思います。

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作品やキャラクターに対する思いが溢れている、とても素敵な方でした。演技に対して挑戦し続けている小林さんが、次はどんなキャラクターを演じるのか、とても楽しみですね。

写真:金子山

プロフィール

小林 ゆう(こばやし ゆう)

東京都出身。「銀魂」、「進撃の巨人」、「昭和元禄落語心中」など数々の話題アニメ作品に出演する大人気声優。アニメやゲームだけでなくラジオや歌手活動など幅広く活躍しており、第二回声優アワード新人女優賞を受賞。

◆ホーリーピーク小林ゆう 公式プロフィール

http://www.holypeak.com/talent/voiceactor/yu_kobayashi.html

◆小林ゆう 公式twitter

https://twitter.com/holy_kobayashi

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作者

藤本あきら

藤本あきら

編集の仕事を主にしていたが、気づけば取材やライティングもするように。魚類、昆虫、爬虫類など生物全般が好きなので、図鑑や飼育本をつくるのが目標。夏になるとタコ糸とスルメを持って、野池でザリガニ釣りをしています。

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