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律希もすみれも、他の登場人物もそうですが、それぞれに悩みや過去のトラウマを一人で抱えていて、若さゆえうまく消化できずに、無理に取り繕って明るく振る舞っていたり、抱え込んで殻に閉じこもったり誰かに当たったり。自分にもそんな時があったような気がして、懐かしく、切ない気持ちになりました。すみれちゃんは特にトラウマがひどくて高校でも殻に閉じこもってたけど律希くんが一歩踏み込んでくれたことで少しずつ周りにも心を開いて理解してもらえるようになって良かったなと思います。先輩もこんな風に自分を受け止めてくれる誰かと出会えるといいなと思います。青春時代の多感な時期に悩んで苦しんだ思い出は誰にでもあるのではないかと思います。気軽に読めるお話というよりは切なくてどんどん引き込まれるお話です。大人になってあんな頃もあったなと思いながら幸せに笑っててほしい。最後にはみんな幸せになってほしいなと願いながら読んでいます。
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