【ネタバレあり】後宮のレビューと感想

恋愛は人を幸せにするか？

鎌倉時代、公家社会の頂点に立つ後深草院の後宮に、なんの覚悟もないまま放り込まれた名門貴族の娘あかこ。
父とも兄とも慕った後深草院に文字通りの寵愛を受けるが、後宮のしきたりや女の争いに巻き込まれ、すれ違いが生じる。
父の死を機に、初恋の男西園寺実兼や後深草院の異母弟にして仁和寺御室性助法親王、同じく異母弟にして当時の帝の亀山天皇、藤原氏長者である関白鷹司兼平などと交わりながらも、後深草院を思い切れない。
後深草院もまた多数の妃や召人を持ちながら、あかこに執着を示す。
多数の人を巻き込み、政治的な動きにも巻き込まれながら、二人の関係は徐々に変化していく。

かなりセクシャルな描写がありますが、作者特有の大胆な省略表現でいやらしさはゼロです。
個人の感情より大切なものが山ほどある時代、それでも自分の感情に正直に生きたあかこ。
彼女は恋愛をすることで幸せにはなりません。
寧ろ不幸を引き寄せています。
それでも恋することを諦めない彼女を通じて、生きる意味や愛とは何かを考えさせる作品です。

堅苦しくない古典

古典が原作というと堅苦しく感じる方もいると思いますが、昔も現代も男女に関することに大差ありません。
時代背景は違いますが、ある意味自分に忠実な女性が自分のとんでもない恋愛遍歴を暴露しているのを上品風味にしているわけです。
自分が寝ている横で自分の女を他人に抱かせるとか、兄弟で同じ女性を取り合うようなくだりとか、現代の昼ドラでもないようなことがたくさん登場します。
多くの決まり事は漫画中に解説がわかりやすく出ているので気になりません。
古典の教科書が漫画になるとこうもおもしろく読めるのか、とわかる作品です。

泣いた

レビューは賛否両論ですが私は好きです。御所様の気持ちが切なすぎて苦しくて泣けました。二条を何度も恨んだわー。古典の漫画化なのでラブラブハッピーエンドとはいかないのでスッキリしない部分もありますし、二条が本当に館を下がるときの御所様の言葉とか身も凍る思いでしたが、最後の二条が棺を追いかける場面では号泣しました。御所様に思いが届いていれば良いと思いつつ、何であのとき裏切ったの？と悔しくも思い。心がざわついた作品でした。

時代物もいい

逃げ恥の作者さんということですが、古典原作の話なので、逃げ恥を期待すると落ち込みます。内容は、二条という女性の恋物語。昔の女性はこんなにも不自由だったんだなと感じさせられます。男性に頼り、従うのが当たり前の時代。この二条は、好きな男性がいながらも、無理やり権力者の妻にさせられる。でも、ただ黙っている大人しい女性ではなさそう？

後宮のお話だからいいですが、実際ひどい話だなぁ、と現代の私から見たら思いますが、沢山の男の人に求められるからといって幸せにはなれない、そのことも本人が1番分かっていて切ない。
歌のやりとりなどの切なさがとても分かりやすく、悲しい話ですが、面白かったです。

面白い！

作者さん、逃げ恥くらいしか読んだことないけどわりと好きです！『とはずがたり』こんなお話なのですね。歴史好き・源氏物語好きにはかなりおすすめです。
どなたかが書いてましたが、この作者さんの持ち味はシンプルな絵ですが、確かに登場人物の見分けがつきにくいかも！

慣れてないと

読み進めるのに苦労した最初、でも、絵がかわいいし、話もおもしろい。日本史を選択しなかったので教養？としてよい経験ができたとおもう。

なかなか

話は源氏物語の様でとても良かったがとにかく画が最悪だった。あまりにものがたりと合ってなくて途中から読むのが辛くなった。それがなければ最高だったのに。

古典が好きです。
夜伽が、周りにあまりにオープンな時代。知られて恥ずかしい、嫉妬など女性の心のうちが読めて楽しい。

面白い

絵はシンプルで、話も淡々としていますが、面白いです。
内容は結構エッチな部分もありますが、平安時代は当たり前だったのかな。