5.0
恭也くんが唯一無二
今までずいぶんオレ様な彼の話も読んできたけど、この話のヒーロー恭也くんは他の誰にも似てないオレ様で、そこがこの作品の魅力だと思います。
彼は両親の別居で、愛(人?)を信じられず、テキトーに女遊びして過ごしてました。でもひょんなことから、ヒロインエリカと付き合ってあげるフリをすることになり…と設定は結構よくあるタイプです。
エリカもありがちな恋に恋する、恋愛至上主義のJK。ちょっとおバカさんだし、考えが甘すぎなところはあるけど、性格はすごくいいし、素直で友達思いだし、恋には一途だし、ヒロインとしては悪くないキャラです。で、エリカを犬扱いしてた恭也くんが、だんだん溺愛に転じていくんだけど、エリカの何にそんなに惚れ込んだのかが、話数を進めていっても見えにくかったんです。
本人もどこが好きってハッキリ言えないっぽい←エリカパパとの話からの推測ですが。でも自分には絶対エリカは必要な存在なんだ、ってパパさんに言うんだけど、ここで私はなるほどって、なんだか妙に納得しました。
エリカはああいう女の子だから、多分恭也くんのいない世界に生きてたら、別の男の子と普通に恋愛してたでしょうが、恭也くんはエリカのいない世界では、絶対に恋愛できなかったでしょう。そのくらいエリカしか彼の愛すべき存在にはなれないんだな、と感じさせるものが、物語全体を通した彼の言動から感じられました。
これはすごい、と思った恭也くんのセリフ。
エリカが中学のときに告ってきた男子と、エリカのバイト先で再会して、再アタックされるところに現れた恭也くん、「エリカはオレのものだ。エリカの意志は関係ない、欲しいならオレの許可を取れ」大体はオレが決めることじゃない、彼女が決めることだ、って無責任なこと言ってモメるとこですよね?でも恭也くんの言い分は、予想を遥かに超えて…彼女の意志は無視ってどんだけオレ様なの?と思いそうになるけど、自分の彼女への想いに100%責任を持った発言なんですよね。高校生の子供がいてもいい年齢の私ですが、ここを読んだ後しばらくこのセリフが頭を渦巻いてしまいました。天晴れですよ、オレ様恭也くん、口だけじゃないっていうか。ちゃんと奪ってやるから安心しろ、とかね。
唯一残念だったことは、3回?くらいお預けくらった(読者も!)初Hシーンを端折られたこと!
ここだけホント心残り( ;∀;)
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