5.0
敢えて★5
ケータイ小説のようなお涙頂戴設定の上に成り立った恋愛ものです。しかし、構成は個人的に良かったし、ちょっと古くさいギャグ演出も設定の暗さを覆す感じで好きです。
主人公の性格は、理不尽なバカが生理的に合わない方にはキツいかもしれませんが(笑)。
そこは他のキャラが冷静に分析して突っ込み入れてくれている分、そういう設定なんだと納得して読めました。
主人公の唯一の取り柄(笑)である仕事への直向きさが、すぐ調子に乗る性格のせいで前半台無しになっていますが、過去のトラウマから辛いことを笑って誤魔化すようになってしまった性格がそこにも反映していると思えばあまりイライラしませんでした。
むしろ、私なんて…と永久にウジウジしているタイプの根暗なお姫様とは精神構造が違ってポジティブさを出そうとしているところに好感が持てました。
彼氏がヒロインをなんとなく気になり始めたころはフワっとしていますが、それぞれの生い立ちと現在の対比から、惹かれ合っていく様子がよく描かれていて、がんばれ!と思いながら読めました。
彼の頭の良さがちゃんと頭良く描かれていたからこそ全体が締まったストーリーになっていると思います。
設定の暗さを跳ね返す恋愛のパワーが詰まった作品です。幸せな気持ちになれました!
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