4.0
古典の授業で助けられた作品
原文のままだと、訳が難しくまた昔の独特の言い回しやニュアンスから、情景を思い浮かべることが難しかったけど、この漫画のお陰で解釈がすんなりできた。
話もやはり当時の恋愛小説としては、とても面白いものだった。
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原文のままだと、訳が難しくまた昔の独特の言い回しやニュアンスから、情景を思い浮かべることが難しかったけど、この漫画のお陰で解釈がすんなりできた。
話もやはり当時の恋愛小説としては、とても面白いものだった。
源氏物語の漫画版は何個かあるのだけど、1番クセがなくて話を盛ってないのが大和さん版かなぁ?と思います。
何個か源氏物語を漫画にしたものは読んだことがあるのですが、
源氏物語自体が現代人の感覚では共感の分かない描写や、当時は現代の小説のように登場人物の丁寧な心理描写はしない風潮だったためかだいぶん心情がすっぱ抜けていたりするので、漫画版にするにあたりその辺を補うためキャラが性格改変されていたり、ストーリーが違ったりするんです。
そういうことを踏まえて、原作も踏まえて読んでも大和さん版はまあまあ真っ当。その分エンタメ性が少なく感じてつまんない!と思う人は思うのかしら?(・・;)
子どもの時はじめて読んだ時は気がつかなかったけど、装丁も凝っていて綺麗です。
また、特に女性キャラがみんな顔が一緒で分からん!と当時は思ってたんだけど、これ原作にむしろ忠実なんですよ。
大雑把に言えば源氏物語って光源氏が初恋の女性の似姿を追い求める話なので、登場する女性たちが「誰々の姪でよく似ていて…」って設定の人が多いから、大和さんの画力のせいだけじゃないんです。大和さんもとても苦心したそうです。笑
それから、登場人物の洋服の紋様やなど細かなところまでこだわって描かれていて(多少の少女漫画的アレンジはあれど)資料に即して描いたのだな、という丁寧さで思わず当時の風俗を調べてしまいたくなります。
そんなふうにエンタメ性だけでなく漫画を読んでみる時におすすめです。
たまたま手にとりましまが、あっという間に読んでしまいました。私の源氏物語はこのあさきゆめみしです!とにかく絵がきれい、絵を見てるだけでもうっとりします。光源氏もカッコいい、若者から大人までそれぞれの魅力があり。恋に苦悩する姿にキュンキュンしました。一番好きなのは紫の上とのシーン。一番大切な存在と気付くシーン、紫の上が死んでしまうシーンは何度読んでも涙涙でした。
母が大和先生の作品が好きだったので、全巻揃っており、幼少期に夢中で読んだ懐かしい作品です
大人になってもビックサイズでも読みましたが、線画が繊細で、言葉遣いも忠実で、源氏物語は千年も前の創作なのに、一千年も前、恵まれぬ生まれに苦しみ、孤独に苛まれ、恋にもまれた激動の人生を歩んだ光源氏が確かに生きていたのでは?とそう思える作品です
現代語訳は他にもいくつか読んでいますが、大和先生の解釈が1番好きかもです!
なんしか、恋が幸せなだけではない、深くてドロドロしてて、でも輝き、求めてやまないものだと本質?ではないにしても、一千年も前の感情にも関わらず生々しく感じられるし共感できる不思議と恋の醍醐味を教えてくれたわたしの恋の教科書です♡
素晴らしい作品ありがとうございます♡
紫式部の源氏物語は社会小説、政治小説の堂々たるスケールを持っていた。現代では少し拗らせた中年の夢見る女子が作り出した、ひねくれたハーレクインロマンスとなった。ただ、「あはれ」とか、自然、とか、和歌、とか、山桜の大和魂、とか、そういう漠然としたパラダイムの広報力のおかげで何か深い思想があるみたいな印象を与えている。作者はこの1000年の物語を10代の少女が夢中になる読み物にした点で、その辺の学者よりも勲章もの。一方で、漫画の魅力が原典に接近するそれ以上の努力を妨げてしまったことは、源氏から深い文化思想や、グローバル世界における、西洋的ヒューマニズムを超える物語の可能性を探る、限りない展望を奪ってしまった。
タイミングがいいのか悪いのか、関東近郊でも雹が降って「きっと辺りの人は怖い思いをしただろうな、、」と思っていたところへ、時を隔てた遥か昔でも、そんな大嵐のお話。。。
建物も、その頃に比べたら全然頑丈にできているけど、自然の脅威が怖いのは、今も昔も同じか。。
そんな中で、動揺を見せず、神仏に祈る源氏の姿に、ただ美しいだけでない、精神力を見せてもらいました。
物語の中とはいえ、どうか無事に長らえて都に戻れますように。
日本人なら誰でも知っていると思う光源氏。
プレイボーイで多くの人をとりこにし、幼い少女を引き取り自分の好みに育て妻にしたというぐらいの知識てましたが、本作を読ませていただいて光源氏の華やかさ、また苦悩を知る事ができました。
登場人物も多く和歌などもあり読むのに時間がかかりましたが最後まであきることなく楽しめました。
姫さま達の十二単などの衣裳の柄なども細かく美しく描かれていて宴の場面などは壮大で圧巻の画力ですね。
何度も読み返したくなるお話でした。
大和和紀先生『はいからさんが通る』の大ヒットからわずか数年でまたまた『あさきゆめみし』を大ヒットさせた。
作中、ギャグを織り込ませたりするけれど、本当に人間の深部を描くのが上手い漫画家さんだと思う。
『あさきゆめみし』にはふざけた部分はありませんが、深い描写は相変わらず上手い。
ただ、もう最後には登場人物の女性の区別がつかなくなってしまうのが難点。髪型のせいでもあるが、みんな同じに見えるのは私だけ?
大学時代の教授、源氏物語研究でもちょっとは名のある人でしたが「これはよくできている」と誉めてました(女君がみんな同じに見えるとも言ってましたがw)
空蝉とのラブアフェア?を回想として後の方に持ってきたり、原作と順番違うとこもありますが、これを読んで原作訳を読むと理解しやすいです。
絵は序盤固くて調度品などよくかけてなくて「宮中ボロボロやん」とか思いましたが、どんどん精度増して美麗になっていきます
古典は読みづらくてもコミックなら出来事、人間関係、頭に入りやすい。もののけが怖れられた時代の人の気持ちもわかりやすい。