涙なしには読めません☆☆☆☆☆
大好きな、大大大好きな作品です。
子供の頃この作品を読んでいたお陰で古典の授業で源氏物語が出てきたときもすんなりと理解出来ました。
藤壺、紫の上、葵の上、夕顔に明石の君、そして末摘花、数多の女性達が登場しますが全て大和和紀先生の描いた顔がパッと浮かびます。
これまでに何度か映像化されましたがこの作品には到底及びません。
それぞれの心情がとても丁寧且つ繊細に描かれていて何度読み返しても涙が溢れます。
光源氏のことを単なるプレイボーイと言う方もいますが、この作品を最後まで読めばそんな単純なストーリーではないことに気付くでしょう。
女三宮の降下で紫の上の光源氏への愛は氷のように冷えきってしまいます。
けれども自分の死の間際に泣きじゃくる光源氏の姿を見て愛は冷めていなかったのだと気付く場面が素晴らしい。
光源氏は亡き母の姿を追い求め、母に似た藤壺を愛し、藤壺の面影を探し続けるなかで紫の君を屋敷に迎え入れますが、生涯で一番愛した女性は紫の上だったのでは…と思わせてくれる結末です。
購入を検討されている方は是非読んでみて下さい。
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5.0