鬼虫
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あらすじ
時は平安時代。絶海の孤島「鬼島」に流れ着いた女は、果たして“凶”の兆しなのか…?原始の島が禍いに揺れ動く、波瀾万丈のサバイバル!!
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ユーザーレビュー
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この人間くささがたまらなくいい!
火山活動がある小さな島のお話。
荒波がたって、小舟だと転覆してしまう為、殆ど誰も近寄らない、閉鎖された空間。
昔の人はもちろん「神様が怒っていらっしゃる」としか思わない。
そんな中、昔海に流されて死んでしまったヒロインの姉に似た人が流されてくる。
その流されてきた女が、本土から流れてきたので、知識も豊富で、いつか本土に帰る野心に燃えていて、島の人間を利用する。
最終的に島の人は大きな船を作り、島を脱出するのだけれど、そこまでのやり取りがとても人間臭くて、心理描写がとても心に迫る描き方で、引き寄せられます。
他の作品も読んでみたい。by となりのトロロ- 8
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4.0
面白い。
ここまでの性悪女(悪女)を見たのも久しぶり。ワルっぷりと言うか悪人っぷりが際立ってる。映画やドラマにしたら、完全に主人公が食われてしまうほどの存在感になると思う。(脚色されず、忠実に描かれたら、の話)
あの悪女にスポットを当てたストーリーであれば、ただただあの島を出て育った都(故郷)に帰りたかっただけなのかもしれない。トラゴの愛情と思いやりと想いが、結果的にそれを阻んでしまったのも、運命の悪戯だろうか…by 匿名希望- 7
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4.0
認めるしかない
以前、この作者の「花園メリーゴーランド」という作品に星五つをつけたのだが、はっきり言って私は「花園メリーゴーランド」が全く好きではない。
好きではないのに星を五つつけた漫画、というのは、そんなにないと思う。
本作を読んではっきりしたことは、ミもフタもない言い方で申し訳ないが、私はこの作者の漫画が全然好きではない、ということだ。
しかしながら、この人の漫画の技量は、認めざるを得ない。
「花園メリーゴーランド」は、前近代的で閉鎖的な村社会における人間たちの姿を描いた。
本作はさらに舞台が退行(差別的な言い方だが)して、文明ほぼ皆無の島社会である。
何がすごいって、作者がどんな人生を送ろうが閉鎖的な村社会と島社会の双方を「経験」したはずはさすがにないと思うのだが、どちらも異様なリアリティーと迫力をもって描かれている点である。
いったいどういう種類の想像力を持ち合わせているのか、マジでわからない。
何でこんなものが描けてしまうのか。
「花園メリーゴーランド」も、本作も、表現されていることは、基本的には同じだ。
それはつまり、人間という存在の、薄汚くて生臭い、綺麗ごとでは済まない生命力みたいなものだと思う。
作者がそれを肯定しているのか皮肉っているのか、私にはイマイチ、わからない。
おそらくそのどちらでもなくて、人間というものを、ただ見つめる、というのに近いと思う。
また、「花園メリーゴーランド」も本作も、一見すると現代社会とは縁遠く見える特殊な社会の人間模様を描くことによって、結果的に、現代社会の本質を照射する、というような、何だか社会学の論文みたいなことを漫画を通じてやっている気がするのだが、そのへんはもう、難しすぎて、私にはわからない。
いずれにしても、この作者の表現方法というものが、個人的には決して、好きではない。
それでも、この異常な想像力と筆力は、どういったって認めるしかない。by roka- 3
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5.0
こういう中世日本のなかで原始を感じるような世界観が大好きです。昔は今よりずっと地方間で文化の違いがあったんだろうな。進んでるとか遅れてるとかではなく、「違う」。
作品は初めの頃の大自然相手に逞しく生きる島の生活の雰囲気から徐々に対自然ではなく対人間でしのぎ合い争う感じ、自然そのものが驚異になるも感じ、スピード感もあり一気に読めました。
絵については男女とも色っぽくて好きです。特に唇。by 匿名希望- 2
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5.0
文明の衝突
都市と地方というモチーフが前作の「花園町メリーゴーランド」と同じなのですが、前作が都市から地方の村社会に来た異端者の視点だったのに対して、こちらは都市の文明社会から訪れた異端者に振り回される原始的な孤島の住民たちの視点で描かれています。
時代が平安時代とはいえ、稲作もないような絶海の孤島と、先進文化が発達していた都では文明の発達レベルが違う。
まさしく文明と文明の衝突です。
そして自然災害という危機が重なり、人間のエゴイズムや欲望がむき出しになっていく。
非常に壮大な物語といえます。by ジーン・ハワード- 0
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5.0