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ヘタレ皇帝だから子供は隠してもいいかな
基本、子どもは、自分の出自を知る権利があると思います。でも、今回はないなー。6年前、新婚初夜に「愛していない」のひと言で、一方的に離婚を言い渡されたアステル。確実に政争に巻き込まれると分かっているのに、場合によっては、命を狙われる可能性があると分かっているのに、テオールの出自を明かすのは、愚の骨頂。我が子の人生を守るために、知恵と勇気を振り絞って闘う母親としての姿、カッコいいです!
それにしても、アステルとカイゼンの温度差が、おもろーです。少なくとも現時点で、カイゼンとどうこうなろうという気持ち、アステルには微塵もない。そりゃ、そうだ、一人でテオールを育てようと決めた時点で、女は元パートナーを、物理的にも精神的にも排除するものです。
一方、カイゼンのほうは、未練たらたら?彼なりの理由なり、正義なりがあって、アステルと別れたのでしょうが、完全に説明不足で、伝わっていないって!「加害者」のほうが、ことの重大さを認識していないって、本当だね。
このままだったら、どうしようもなくストレスが溜まるお話だったけれど、テオールの可愛さ、素直さ、天然さが、全ての救いとなっています。アステルが皇后の地位に復帰するには、父レストン公爵の絡みなど、めちゃくちゃ問題が山積みだけれど、テオールのために、丸く収まるんだろうな。
さあ、ヘタレ皇帝のカイゼンよ、アステルを含め、ほぼ全ての女性読者から総スカンをくらっているこの現状、巻き返しの道のりは容易ではない。でも、父として、夫として、這いつくばってでも、家族の信頼を取り戻して、見せてくれ!
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