3.0
語り尽くされた
過剰なダイエットを巡るサスペンスで、安野モヨコの「脂肪という名の服を着て」を「世にも奇妙な物語」風に味つけした、という印象を持った。
SNSという現代的な装置はアイテムとして用いられているものの、この手の話はちょっと語り尽くされた感があり、焼き直し、という感は否めない。
そして、美にまつわる執念や情念の壮絶さ、という意味では、安野モヨコの作品に及ばない。
作者が作者だけに、何か一筋縄ではいかないギミックが仕込まれているではないか、と勝手に期待していたのだが、それもなかった。
決して退屈な作品ではないが、もう少し、何かが欲しかった。
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