4.0
いいですね。
受付嬢とその会社の顧問弁護士の恋なんて、定番な感じのストーリーですが、まずなにより好印象だったのは三人称で書かれていること。
他のレビューでも書いていますが、一人称複数は読んでいてツラい時があって(Hシーンの一人称描写とか)、特に本作品に描かれる弁護士彼の仕事上の氷のような冷静さと、受付嬢彼女を愛する時の熱のこもった情熱のギャップは一人称では得られないものだなと感じます。
同僚にも内緒にしているけれど溢れてしまう浮かれている気持ちとか、白い高級車を白馬に見立てるとか、恋するとワケわからなくなる感じも微笑ましく読めます。
それだけでなく、ストーカーチックになってしまうパラリーガル氏の暴走も淡々と描かれていて……星ひとつマイナスはそのパラリーガル氏の処遇がちょっと甘いのでは???という抗議です(笑)
受付嬢彼女が天然なのか天使なのか、弁護士彼が海のような心の広さを持っているのか、ちょっとよく解らないところでしたけれど、彼らの気持ちを汲んでパラリーガル氏には立派な弁護士になってもらいたいと変な親心を感じました。
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