5.0
生きてさえいれば
生きてさえいれば、何とかなるんだ。
それを毎回教えてくれるのが、この宮本姉妹のコミックスです。
さらっと可愛い絵で、コミカルに描ききっていますが、実際に起きたら、だいぶしんどくてストレスも溜まっただろうし、気持ち的にギリキリだったと思います。
また、タイトルの『夫が自殺したので〜』、今回はいらないんじゃないのかな?と思いながら読んでいたのですが、そこかしこに、前回の作品(自殺遺族になっちゃった!?)の際に体験したトラウマがちらちらと顔を出すわけです。
そんな中での、こんな重たい出来事。
ぺるみさん自身にどれだけの精神的負担があったことでしょうか。
それを思うと、彼女はかなり頑張ったんだなぁ、だからラスト、運も引き寄せたんだね、と言える読後感でした。
ぺるみさんだって、何度も逃げたくなったと思います。
けれども、身近な人が逃げるようにこの世を去った(※あくまでも彼女の旦那に対しての表現です)悲しみや辛さ、苦しみを一番知っていたからこそ、彼女は相当頑張ったんだな、と思いました。
また、自殺遺族〜もこの作品も、難しいテーマを解りやすく描いていて、その後ろにある大きなテーマ『生きてさえいれば何とか出来る』をコミカルに、でも切実に、伝えてくれるのがいいですね。
宮本姉妹の作品が、とても好きです。
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