2.0
愛してたんじゃないの?
「こういう漫画」は毎回、読む度に嫌な気分になる。
だったら読まなきゃいいのだが、おそらく、私には「怖いもの見たさ」と似たような種類の「醜いもの見たさ」とでも呼ぶべき感情があって、それが定期的に発露するのではないか、と自己分析している。
「こういう漫画」という雑な言い方をしたが、簡単に言うと、妻が元夫を、あるいは夫が元妻を(という漫画は少ないけれど)告発するタイプのエッセイ風漫画である。
告発内容はだいたい不倫かモラハラで、本作も然り。
本来「こういう漫画」は、不倫やらモラハラやらをしていた側がこらしめられてスカッとする、みたいなのが正しい楽しみ方なのだろうと思うのだが、私はどうしてもそういうノリになれない。
はっきり言うと、漫画の中で悪役になる夫や妻より、漫画を描いている側に醜さを感じる(もちろん、完全なフィクションならこの限りではないけれど)。
「こういう漫画」に対して私が感じることはいつも同じだ。
「愛してたんじゃないの?」
愛は冷めることがあるのは認めるよ。
愛は消えることがあるのもわかるよ。
でも、冷めたからって、消えたからって、「許せない」という裏切りを受けたからって、「何でもあり」なの?
どんなに酷い人間として描くのも自由なの?
愛した人を(ないし愛したと思い込んだ人、でもいいけどさ)、そこまで貶める自分の醜さに、どうして耐えられるの?
私にはマジでさっぱりわからない。
まあ、わからないでいられるというのが、きっと幸せなことなんだろうけど。
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