4.0
逃げる女より追う男を応援したくなる作品
タイトルからは期待値低めでしたが、読んでみるとストーリーの縦軸横軸がすごくしっかりしていてテンポも良いし、作者さんのノリノリな感じも伝わり、配信中22話まで楽しめました。
まず良かった点は、
主要人物が5人(ヒロインは男装執事と元姫さまで一人二役。)と固定されていて、それぞれキャラ被りがなくイケメン設定を四人に抑えているところもバランスが良くわかりやすいなと思いました。
最初からざっくりと頭に入ってくる四人の印象。
例えば、
ラウル。ヒロインに一途なワガママ王子。
ノア。冷静なラウルの右腕。男装執事を最初に見抜いたキーマン的存在。
フィンリー&レヴィ。チャラと童顔騎士。二人はにぎやかしで一括り。
キャラづくりに無駄な情報がないところや、王族寮を拠点にちょっとシットコムのような雰囲気があるところも良いなと感じました。
そして、本作のように、
逃げる女と追いかける男のストーリーって面白くなるシナリオが多いような気がします。
男女逆パターンの展開よりは、個人的に好きです。
婚約者最有力候補から外れるために、男装執事に扮してあれやこれやと画策するリリー。
すごく魅力的に描かれていて好印象ですが、
ラウル王子の場合、初恋を拗らせているだけではないことが徐々に見えてきます。
リリーが扮した執事に対しても、初恋相手の女と知らずに、素を出して気に入っている様子。
リリーが自給自足で生き生きしている本来の姿を見ても、それを受け入れながら自分も馴染んでいるし、何一つ気持ちがブレていない様子。
要はどんなリリーでも大好き。
そんな一途なラウル王子の初恋成就を応援せずにはいられない。
そんな微笑ましい作品です。^_^
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