良質なSMもののストーリーが読める
まず自分語りを記します。
知り合いに一年弱の元女王がいて、毎日のように「私男嫌いの処女だけど男○人抱いた」とイキっています。経験者ではあるもののファッション女王のような振る舞いが酷く痛々しいので、目も当てられません。
そのためSMバーや女王に対してあまり良いイメージがありませんでしたが、『イジめてごっこ。』は素晴らしい!SMを介したヒューマンドラマです。
SMという性癖や奥行きや愉しさを出しつつ、各キャラクターが性癖や趣味に溺れながらも自分の弱さや醜さと向き合っていくのがとても丁寧で読んでいてとても楽しいです。
縄で吊られる人たちの感想で「気持ち良い」とよく聞くのですが今までピンときていませんでした。
ですが縄でゆかを吊るすシーンでゆかが「ハンモックみたい」「雪野さんに包まれているみたい」という感想を言っているのを読み、ちょっとやってみたくなりました!
雪野さんの丁寧な解説とゆかとまひろに対する優しさ、まひろの真面目さとゆかに対する愛情、ゆかの性癖に溺れつつも自身と向き合っていく姿はどれも健気で三人とも好きです!
人付き合いにおいてコミュニケーションは最も重要な行為であるというのもこの三人の対話や、ゆかとまひろのやりとりで感じられます。
私は自分自身も彼自身も若干SM気味で、どちらも楽しくいけます。
先述の自覚があるため『イジめてごっこ。』は楽しく読めるのですが、SMの免疫が低い人やそもそもそんなにSMに興味が無いけど取り敢えずちょっとエロいのが読みたいみたいな人は苦手と感じるかも知れません。
レビューの低い評価だけや、作中の初期のゆかの欲まみれの台詞だけを見て、この作品をよく読み込む前に評価してほしくないです。
48話でゆかが決心するので、より面白くなるのはここからだと思います。
今後の更新も楽しみにしています!
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5.0