3.0
不倫とサスペンス
よくある不倫モノかと思いきや、作品のタッチはかなりサスペンスフルで、意外に引き込まれた。
考えてみれば、不倫という修羅場的なシチュエーションというのは、人間の醜い本質や激しい情念みたいなものがあらわになりやすい場面であって、サスペンスとは相性のいい題材なのかもしれない。
本作の場合、そこに主人公の女性の過去がもうひとつ、サスペンスとして絡み、プラスアルファの見所もあった。
ただ、いかんせん、特殊な事情を背負った主人公が、リスクを引き受けてまで不倫に走る過程に説得力を感じなかったのと、繰り返し、特殊な立場にありながら、不倫の仕方もあまりに軽率で杜撰である点は、どうにも気になった。
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