4.0
社会的価値ある作品
これだけボリュームのある内容を、よく21話でまとめあげたと感心する。
最初は、子供に対する虐待の実態を伝える作品なのかと思ったので、7〜11話は話の方向性が迷走しているように感じて読むのが辛くなったが、作者のプロットはもっと大きな視野で描かれていたようだ。
虐待の具体的な事実を訴えるのみならず、虐待の連鎖や虐待の構造、それらのもたらす影響についてまで、実体験を通して得られた気付きや分析に言及されている。
虐待・DVについてはもちろんのこと、それ以外にも生きていく辛さを味わっている人にとっての貴重な気付きや思考習慣の転換のヒントがいくつも折り込まれている。
ノンフィクションの貴重な情報として、社会的価値ある作品だ。
最終話は、救いと希望があって本当に良かった。
心から主人公には幸せになって欲しい。
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