5.0
小説好きには堪らない
作者さん本人が相当の愛読家のようで、古今の小説の引用やオマージュが随所に散りばめられています。
ストーリー自体に謎解きの要素は薄いけれど、ミステリーマニアであれば楽しめる作品です。
特に綾乃の物語に対する考察(多分作者さん自身の)は頷ける所も多く、読後に作中の小説を読み返してみたくなりました(まずは藪の中を)。
秋の夜長に読むには丁度いいお話です。
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作者さん本人が相当の愛読家のようで、古今の小説の引用やオマージュが随所に散りばめられています。
ストーリー自体に謎解きの要素は薄いけれど、ミステリーマニアであれば楽しめる作品です。
特に綾乃の物語に対する考察(多分作者さん自身の)は頷ける所も多く、読後に作中の小説を読み返してみたくなりました(まずは藪の中を)。
秋の夜長に読むには丁度いいお話です。
漫画として読むには、内容がちょこっと難しい部分があったりして、さらっと読むと、読み逃しちゃったりして、じっくり時間をかけて読み解くのがいいかと思います。
時代背景が謎ですが、なんだかノスタルジーな雰囲気を味わえます。
主人公の、天然かな、と思える性格と、啓千さんの大人な雰囲気に、しっかりはまってしまいました。
最初は、親戚関係がよくわかりませんでしたが、それも気にならずに読めました。
よかったです!
フィクションの世界と、現実の世界を行ったり来たりしているたかゆきさんとあやの嬢。
フィクションの世界でふわふわとしているようで、現実ではしっかりと他人の細かいところを見て、気付けるあやのちゃん。
たかゆきさんがあやのちゃんに惹かれていくところ、あやのちゃんのために物語を書こうとするところ、最後には愛の最上級、「最愛なるA嬢へ」と変わるところ、とてもよかったです!
少し古い時代のミステリーかな?と読んでいましたが、少し歪んだ愛が引き起こす事件に引き込まれていきます。
綾乃ちゃんと啓千さんの回りは図書館のにをいが常に漂ってその手に取った一冊から出てくるお話の一片が、ストーリーにも影響しているし、この作品を色付けています。
啓千さんに血が通うプロセスが良かったです。最後の笑顔なんて、今までに見たこと無い表情ですもの。
良い作品でした。
本の虫!まさに虫!の彩乃ちゃんは、ずっと空想世界で生きてたのに、お手伝いをたのまれて親戚の所へそこはまさに天国!沢山本もあるし!背中を貸してくれる人もいる!
でも何だか!切ないオーラを持った人!
事件に巻き込まれたくないのに( ≧Д≦)向こうからヅカヅカとやって来て!
傷つけられてしまって(ᗒᗩᗕ)
ちょっぴり切ないです。
作品に飲み込まれるようで、おもしろいです。
なんだか大正モダンな匂いも漂う、文学ミステリー。
本がひたすら好きな綾乃嬢と、影がありつつも優しげな能見先生の関係性も、話が進む毎に少しづつ変化して行くのが良いです。
ミステリーの部分もなかなか好きでしたが、能見先生がちょっと可哀想になったりして、ちょっと辛かったです。
最後の畳み方も私的には好感が持てました。あ、警察にはガッカリしましたけどね。
本が好きな少女綾乃ちゃんが小説家の能見啓千の家にお手伝いに。
啓千は利き腕を痛めて今は小説を書いていない。
綾乃ちゃんは差し入れを持っていき啓千の家で本を読む。
啓千の周りでは事件が起きるのだが、それは啓千の小説に魅せられた人々が起こしてしまう必然とも言える事件。
それらを自ら解決する啓千ですが苦悩がつきまといます。
綾乃ちゃんの素直な明るさは啓千を救います。
綾乃ちゃんがいてくれてよかったです!
でも背中が温かく安らぐのは2人共ですね。
色気漂う和装男子が気になって読み始めましたが全巻読むほどはまりました。エグい事件も起きますがわりと解決は早く軽めのミステリーとして楽しめます。レトロな雰囲気も良いし本の虫のヒロインと小説家の優しい関係も良いです。良質な小説を読んでるような文章、言葉も出てきてその都度そこだけ繰り返し読んだりしてしまいます。
読み終えた時に、本当に素晴らしい作品をありがとうと言いたくなるような、繊細かつ上質な作品でした。
心理描写をサラッと描いているのに深いんです。
一回目読んで感じる面白さと、二回目読んだ心地よさがまたいいんですよ!
啓千と綾乃の続きがもっと見たい〜と渇望してしまう…だけどこれで完結が1番しっくりくるのかもしれない。
天才過ぎて周りの人に影響を与えすぎ悲劇を起こしてしまう…なんて苦悩、凡人の私に本来理解出来るはずないのに、共感してしまう。その苦悩のなかで現れた綾乃という一筋の光に惹かれていくのも分かる。
謎解きでもあるので話を伸ばす事もいくらでも出来たであろうに無駄な話一切なく潔く終わるのもまた良し。