親愛なるA嬢へのミステリー

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親愛なるA嬢へのミステリー
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あらすじ

本好きで、気がつけばいつも物語の世界に浸っている少女・綾乃と、わけあって断筆中の小説家探偵・能見啓千。ひょんなことから啓千の身の回りの世話をすることになった綾乃だが、やがて二人に次々と数奇な事件が降りかかり――!? 「もしかして すべての事件はその探偵のせいで起こっているのかもしれないよ」

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みんなのレビュー

  1. 評価:4.000 4.0

    諦めないで!笑

    誰もレビューを書かいてない時に、ミステリー好きからタイトル買いしたものの、頭では理解できても心に“すとんっ”と落ちてこない感じの違和感があり、暫く購入してませんでした。

    それが久しぶりに見てみると、レビューされた方々が面白い面白いとおっしゃるので、もう一度、今度は少し多めに購入。

    やっと、12話目から面白さが分かってきました!
    特に、啓千の気持ちに全く気付かない綾乃ちゃんの反応と、だからこそ嘘偽りのない真っ直ぐな言葉をくれる綾乃ちゃんに救われて更に惹かれていく啓千との関係は、話数を重ねる毎にドキドキします♪

    ただ、面白いんだけど気付くのに時間が掛かったので★4にしました。

    あと、この漫画を読むと、無性に小説が読みたくなります!笑

    by 匿名希望
    • 14
  2. 評価:5.000 5.0

    叙情のミステリ、物語の物語

    文学少女、というか文学オタクの少女と、ある事件をきっかけに筆を折った小説家の探偵を主人公にしたミステリ。

    コナン君や金田一少年のような「謎解き」に主眼を置いた漫画ではなく、そういう意味では「本格」ミステリでは決してない。
    むしろ、事件がなぜ起きたのか、その背景には人々のどのような情念や執着があったのか、という部分が焦点であり、ミステリと呼ぶには、随分と叙情的な作品である。
    これは決して非難ではなく、こういうミステリ漫画もあり、というか、こういうミステリ漫画がもっとあってほしい、と感じた。
    ミステリのトリック的な部分にはあまり感心しなかったが、事件に秘められた人々の想いには、何度もハッとさせられた。

    もうひとつ、本作は、「本(というか、フィクション)を読むとはどういうことなのか」を紐解いてゆく物語でもある。
    フィクションというのはもちろん、「嘘」の話だ。
    人は、嘘を嘘と知りながら、なぜフィクションなんてものを必要とするのか。
    私の好きな小説の中に、こんな文句がある。
    「ある種の真実は、嘘によってしか語れないのだ」。
    この漫画は、そんなふうに答えを明示しているわけではないけれど、「物語とは」というテーマは、文学少女と小説家を主人公とする本作のストーリーと密接にリンクしており、なかなか興味深かった。

    この漫画の登場人物たちは皆、ある意味で、物語によって傷つけられ、損なわれ、そしてまた、物語によって救われてゆく。
    それは、自らの物語を生きる私たちの姿そのもののようで、感動的であった。

    この漫画が何の物語なのかと問われれば、やはりそれは「物語の物語」ということになると思うし、漫画として「物語を生きること」というテーマに果敢に挑んだその勇気は、称賛に値すると私は思う。

    by roka
    • 10
  3. 評価:5.000 5.0

    最後まで読むと、内容は濃かった。

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    全話読みました。
    日々読書にぼっとする娘綾乃(16歳)を心配した綾乃の母は、小説の世界から現実に引き戻す(男性に興味を持たせる)算段で、本家親戚にあたる小説家で探偵の能見啓千(のうみたかゆき25歳)の仕事を綾乃に手伝わさせる。
    啓千は読書に没頭して背中にもたれかかっている綾乃を憎からず想い、綾乃も啓千の傍で読書を満喫しすることに幸せを感じ始める。
    啓千の処女作が受賞し、独特の作風で人気を得るが、それがきっかけで事件に巻き込まれて右手を負傷。右手の自由が効かず数々のヒット作を世に送り出すも僅か数年で断筆。
    その後、巻き込まれた事件を解決したことから、探偵の依頼が来るようになり。
    綾音は傍にいるうちに、啓千が自分の作品が関係して事件が起きることに苦悩してることに気づく。
    啓千の中で自分を慕っている綾乃の存在が徐々に大きくなってゆく。
    ファン、友人、小説家、編集者と各々が自分の解釈で生きてゆくことが絡みあい事件が起こる中で、綾乃も巻き込まれてしまう。とうとう啓千自身に容疑が掛かってしまい、無実を証明したい綾乃は・・・

    と言うストーリーですが、実は最初から啓千の方が、自分の考えや気持ちに真っ直ぐな綾乃に惹かれて、その想いが徐々に強まって来ます。ホントは綾乃が主人公ですが、啓千の恋心が愛情に変わっていく様子にちょっとキュンとします。
    ミステリーで、どの事件も一件落着でなく、啓千の作品に狂酔した結末は哀しさが残り。天才が故に巻き込まれてゆく様子は重いストーリーですが。
    その中でも、啓千を信じる綾乃の強さが、一筋の光となって道を照らすイメージで。読後感は、明るいハッピーエンド!!というよりイメージ、日々最愛の人と過ごせる、共有出来る喜びや人の温かさというのも意外に悪くないと。
    最後まで読むと、諸々分かってくるので。
    短いですが、内容の濃い作品でした。

    • 6
  4. 評価:5.000 5.0

    読み終えるのがもったいない……

    ネタバレ レビューを表示する

    あっあー、読み終わってしまった……
    できればもう少しふたりのお話に浸っていたかった。
    あっちもこっちも、周囲の人間がみんな簡単にトチ狂ってしまって、事件の動機がほぼほぼそういう一面なのは気になったけど(もう少し何気ない動機があってもいいかなと)そこから醸し出される退廃的な雰囲気が、明治大正くらいのムードを出しているのはとても良かったです。
    面白かった!

    作者さんは別名もあるようなので(あと双子の作家さんの作品もすきでよく読みます)今後も注目していきたいです。

    by 匿名希望
    • 6
  5. 評価:5.000 5.0

    ひきこまれます!

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    A嬢こと綾乃ちゃんと一緒になって読んで、泣いて。

    ただ、いつの時代の日本なのだろう。
    スマホどころか、フィーチャーフォンすら出てこない。P HSやポケベルもない。
    作家の口述筆記を編集者が手書きで行う……ノートパソコンとキーパンチャーではない。(和文タイプだとうるさいだろうか?)
    大人達の服装から受ける印象は、明治や大正の雰囲気でもない。男女間の会話など、やりとりはむしろ現代的だ。

    私は考え続けた。

    『日本のようで、そうでもない』世界。
    [明らかな異層]とも言うべき、『ひとつの理想型としての日本』なのか。

    ……作者は答えてはくださらない気がする。

    • 4

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